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17回目 ページ17

「そうなの?Aさん」

「え、あ…そうなんですけど、家もそこまで遠くないので歩いて帰れます」



いや、むしろその方が心配なんですけど

そう突っ込みたいのを抑えて黙って先生とAの会話を静かに聞く

先生はこれから出張だから来るまで送って行けそうにないらしい

本人としては自力で帰れると言い切ってはいるが私が心配だ

それでも私はこれから授業があるし放課後も部活の大会が近いため休む訳にも行かない



「(どうしようか…)」



そう考えて、それとなく保健室を見渡すと窓から除く青い空が目に入った

あ、そう言えば



「A、荷物と靴持ってくるからここで待ってて」

「い、いやそれぐらい自分で…」

「生理痛酷いなら無駄に動くな!」



遠慮する友人をピシャリと指さして叱る

生理痛が酷いのは本当のようで渋々と椅子に座った

それをしっかり確認してから私は入ったばかりの保健室を飛び出す

走りながらスカートのポケットからスマホを取り出してとある人物に電話をかけた



「もしもしお兄ちゃん!?」



数コールで出た兄の声、「もしもし」なんて言う言葉を遮るように焦って早口で言う

驚く声をいちいち気にしている暇はない

_____

教室に戻ってAの鞄の中に教科書などを詰めた

あと手帳とペンケースと…まだ中身が重いお弁当を入れる

先程、兄に電話はしたがまだ不安な部分はない訳では無い


スマホと一緒に入れていたAirPodsを取り出した

つい最近、バイト代で買った新品

二つの意味での罪悪感はあるが、仕方がない

私はAirPodsを片方だけAの鞄の内ポケットの奥に入れた


また明日に間違えて入っていたと伝えれば良い

Aの鞄を抱えてまた走る

今だけ部活で無駄に走らされて良かったと顧問に感謝する

放課後になった頃には、感謝など忘れてまた嫌いになっているだろうが

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作品ジャンル:恋愛
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彩音(プロフ) - ひ〜〜めちゃくちゃどきどききゅんきゅんしました・・・。(語彙力なくてすみません) (2022年7月26日 14時) (レス) @page49 id: 25043c6aac (このIDを非表示/違反報告)
ことは - 真緒くん!梶さん!尊い! (2021年4月15日 18時) (レス) id: 1efa312b7c (このIDを非表示/違反報告)
めご(プロフ) - 空白猫さん» ありがとうございます(;_;)是非推してください〜!!評価もありがとうございます!! (2021年4月9日 23時) (レス) id: fec7c0a77e (このIDを非表示/違反報告)
空白猫 - 前半…「早くくっついて?」後半…「待ってこのカップル推せるわ」ってなりました…評価たくさん押しますね…神作だと思ったのでッ!! (2021年4月8日 11時) (レス) id: 10484fbbe5 (このIDを非表示/違反報告)
愛葉 - 半分本気です…(笑) (2021年2月28日 20時) (レス) id: bb433bc26e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めご | 作成日時:2021年1月2日 21時

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