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壊れた玄関…いや、瓦礫を踏み越しながら歩いてくる女。


整えれた髪の毛を綺麗にまとめ、綺麗な着物に包んでいた。


それはまるで、お嬢様そのものだった。


(…どっかのパツキンさんにも見習って欲しいんだけどね)


「とりあえず、上がってください。こんな瓦礫の所じゃ話したいことも話せないですし」


いや、それやったのコイツです。とAを差し出したいくらいの笑顔で語りかけてくるので本当に見習って欲しいと心の底から思う。


「じゃ、遠慮なく!!」


神楽がガツガツと上がり込む。


そうなってくるとこちら側もそうするしかないので、神楽についていった。



__________


_____




「ーー水野咲です、ここで父と二人暮らししています」


(いや、2人じゃないよねこれ)


どう見てもそうだった。


何故なら、俺達の周りにはすげぇ人が居る。


まあ、居ると言っても、どう考えてもここの家の使用人には違い無いだろう。



「父は、幕府高官です。ですから、あまり家にもいなくて…あっ、紅茶飲んで下さい。美味しいと思います」


彼女は、俺達に紅茶を注いでくれた。

…うわぁ、すごぇいい匂い。


「ふん、甘いのは苦手だな」


…なんでそういうこと言うの?


せっかく彼女が、美味しい紅茶を注いでくれたのに!!


「んで?用件はなんだ?言え」


なんで命令口調なの?命令されるの俺ら側何だけど!!


「実は、母が大事にしていたネックレスがひったくりされてしまって…」


…ん?


「部屋に飾ってあったのに、気付いたら…」


んん?



「それ、ひったくりじゃなくて盗難ネ」


神楽が、そう言う。


「え?あぁ、そうなんですか?てっきりひったくりかと…」



何なんだこの子!!盗難をひったくりに間違えるなんて有り得んのか!?


「え、じゃあとりあえずそのネックレスをとってくればいいってこと?」



「…はい」



「でも何で、警察には言わなかったんです?盗難なら立派な犯罪なのに…」



「警察よりーー万事屋さんの方が良いかなって。なんとなくそういう気がしたんです、きっと万事屋さんは、絶対救ってくれる。そう…思えたんです」



そう言う彼女は、一輪に咲いた花のように綺麗な笑顔で語っていた。


(つくづく、ちげぇな…こいつと…)


Aの方をちらっと見ると、興味がなさそうに彼女の話を聞いていた。

玖→←漆



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カニ - 小夜さん、頑張ってください。 (2016年9月13日 20時) (レス) id: 689b4df6a4 (このIDを非表示/違反報告)
小夜(プロフ) - ありがとうございます! (2016年3月29日 19時) (レス) id: 274b1170a3 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 面白いですね!!! (2016年3月29日 19時) (レス) id: 7676931304 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小夜 | 作成日時:2016年3月22日 21時

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