【ミケ】最期の瞬間まで好きって言えなかった。【進撃の巨人】 (ページ41)

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「で？ミケとは、どうなの？」
「え……？」

久しぶりの非番に、ナナバとハンジと酒場に来ていたA。ちょっと、お酒が入ったところで、ナナバが切り出した。

「うーん……ぼちぼち……かな……」
「ぼちぼちねぇ〜。全く話してないでしょ。それどころか、目も合わせてないんじゃない？」
「……う………うん……」

痛い所を突かれて、素直に頷く。業務連絡で話す事はあっても、前みたいにプライベートで話す事は無くなった。基本的に、お互い目を合わせないように視線を彷徨わせることが殆ど。

「もたもたしてると、壁外遠征になっちゃうよ〜？」
「わ、分かってる……よ……でも……さ……怖いの……ミケが…凄く怖い……」

今まで、あんな怒られた事は一度たりとも無かった。温厚で優しいミケだから、ちょっとやそっとのことでは、怒らない。それなのに。

「……私…なに……しちゃったんだろ……」
((鈍感だなぁ！！？))

ナナバと、ハンジの2人が同時に心の中で叫ぶ。Aは、本当に分かっていないらしく、目に涙を浮かべている。

「壁外遠征の前に、ミケとちゃんと向き合いなよ」
「………でも……」
「A。時には、ちゃんと向き合うことも大事だよ？自分が、後悔しないようにね」
「………後悔……」

確かに、私もミケも長年生き残ってる古参兵だ。でも、今度の壁外遠征で絶対生き残れる保証なんかどこにも無い。

(……う、うん……そうだね……ちゃんと、話してみる…)
(よーし！頑張れ！)
(Aなら、出来るよ。うちの分隊長、ああ見えて意気地無しだから)