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#35 ページ39

案の定、部屋の中にはAとエレンが居た。時間は、23時。消灯時間はとっくに過ぎてるけど、多分Aが外泊許可を取ったのだろう。


「夜遅くにすまないな。どうしても、今見ておいてほしい書類があるんだ」
「そっか。え、と、エレン」


Aがそう言うと、エレンは部屋を出た。Aの隣に腰を掛ける。


「邪魔したみたいだな」


イライラしてる気持ちに任せて出た言葉。Aは、明らかに困惑している表情を浮かべた。その後も、思ってもない皮肉な言葉が、不思議とすらすら出てきた。

挙句の果てには、無意識にAを押し倒して泣かせた。第三の奴らと同じように。

思い返せば、自分への怒りが募る。Aにちゃんと謝らなければ。そう思っていても、怯えてるAを見ると、中々切り出せない。そのまま、気が付けば3日経っていた。


「……馬鹿だな……」


Aは、話せばちゃんと分かってくれる。逆に、ちゃんと話さないと分からないほど鈍感。分かっていて、そうしなかった自分が、馬鹿だ。


(結局その日も)
(Aと目を合わせる事は無かった)

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作者名:瑚闇 | 作成日時:2020年10月22日 0時

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