【ミケ】最期の瞬間まで好きって言えなかった。【進撃の巨人】 (ページ35)

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雪が積もってる道を歩いてるような重い足取りで、ミケの執務室への道を歩く。酸素が薄いのでは無いか、と錯覚するほど、息が苦しい。

何だかんだで、ここ3日ほどミケと話していない。それどころか、目すら合わせてない。前までは、仕事中でもちょこちょこ雑談していたし、ご飯は絶対一緒に食べていたのに。

「……寂しい…」

その代わりと言っては申し訳無いけど、ハンジやリヴァイ、ペトラ達と話したり、ご飯を食べる事が増えた。でも、どことなく物足りなくて、喪失感だけが募っていく。

「……何で……あんな事……」

ハンジは、何も言わなかった。と言うより、教えてくれなかった、の方が正しい。訓練兵時代から、"危機感が無さすぎる"とは、良く言われてた。でも、それが何に対してのものなのかは、いまいち分からない。エレンは、凄くいい子だし、無闇に巨人化したりしない。

「そんなに、警戒するかな……」

ミケは、そういう事じゃないって言ってたけど、それ以外思い付かない。

「……はぁ…」

どうしてこういう時に限って、ナナバとかに会わないんだろう。気が付けば、執務室に到着していた。

(深呼吸をして)
(ミケが居ない事を祈って)
(扉を開けた)