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#31 ページ34
「何かあったのかい？A」
「へ……？」
いつものように、エルヴィンの手伝いをしている時。急に聞かれて、ポカン、とする。
「…ど、どうして……？」
「何となく、いつもより元気が無いように見えてな」
Aは、そこまで活発的じゃない。それでも分かるくらい、今日はどことなく元気が無い。
「…ごめんね……何でも無いよ」
「Aが、謝る時は大体何かあった時だが…本当に何も無いのか？」
流石、エルヴィン。鋭い。でも、ハンジに言うのですら躊躇われたのだ。出来れば話したくない。
「…本当に、何でもないよ」
「そうか。なら、良いんだが」
それじゃ、と書類を渡される。首を傾げるAに、エルヴィンは満面の笑みを浮かべた。
「これを、ミケに持って行ってくれ」
「……え……と……」
「どうした？」
エルヴィンのあの顔。絶対に、気が付いてる。エルヴィンを誤魔化すには、ハンジ程の頭脳が必要か。
「何か持って行けない事情でも？」
「……え……いや……無いよ…」
Aは、そう言ってぎこちない笑みを浮かべる。こうなったら、行くしかない。
「…届けてくるね…」
「今週中には、提出するように。と伝えておいてくれ」
「は、はい…」
(エルヴィンの意地悪！と心の中で叫びながら)
(執務室を出た)
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作者名：瑚闇 | 作成日時：2020年10月22日 0時
