#19 ページ22
巨人の掃討が完了して、調査兵団は本部へ戻って来た。Aは、肋にヒビが入ってたくらいで、1週間安静にしていれば良くなると言われ、自室へ行った。ミケ達は、自己処理や兵士の手当に追われている。
(……巨人化…)
心の中で呟く。扉の穴を塞いだ大岩の近くにあった死骸は、気を失っていた訓練兵"エレン・イェーガー"が、巨人化したものらしい。信じ難い話だけど、作戦を決行したリコ達駐屯兵が言っていたのだから、間違いないだろう。そして、もうひとつ。
(……あの3人……)
壁外調査に行く前もそうだったけど、どこかで会った事あるような気がしていた。あの3人に。もっと、ずっと前に。
(……いつ…どこで……名前は…?)
それだけが、思い出せない。たまたま、だったような気もするし、もっとちゃんと会ったような気もするし。
(私……ボケてる…?)
こんなに引っかかるのに、思い出せないなんて。Aは、自分の記憶力の無さに頭を抱えた。
「そ、そのうち……思い…出すよね…?」
睡魔が襲ってきて、目を瞑ったAは自分にそう言い聞かせた。
(今日は、色々あって疲れた)
(これだけ引っかかるのだから)
(すぐに思い出すだろう)
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作者名:瑚闇 | 作成日時:2020年10月22日 0時