男装少女は音駒の１年セッターで、あの人の双子です！

６話 ページ7

重っ！


早速ピンチです。


支柱重すぎだろオイ。


他の人達はひとりで軽々持ってるから、俺もここはひとりでもたなくては………！


でもさすがに無理だよなぁ。


引きずっていこうかな。


いや、ダメか。


？「無理すんなよ」

そう言って支柱を軽々と持ち上げたのは、


『夜久先輩!!』

スッゲーな………。


って、しみじみ見てる場合じゃない！


『夜久先輩！大丈夫なんで、もう自分の事してください！』

夜久「お前、これひとりで持てるのかよ」

『それはちょっと難しいですけど………。

でも、犬岡にでも手伝ってもらうんで、大丈夫ですから！』


夜久先輩は支柱を持ったまま、僕の方を向く。


夜久「お前さ、性別の他にも、身長的にいろいろ不利なんだからここは先輩に任せればいいだろ。

ちょっとくらい頼れよ、バカ」

そう言って、用具入れの方に行ってしまった。




なんだあれ。




カッコよすぎだろ！




黒尾「やっくんにホレちゃった？」

いつの間に来たんだコイツ

ヤベッ、コイツ呼ばわりしちまった。


『ホレてはないですけど、黒尾さんよりは何万倍もカッコイイですよね』

黒尾「いちいち俺と比べるなよ」



いきなり、僕をじろじろ見て来る黒尾さん。


『なんですか、じろじろ見て。

気持ち悪いですよ』



黒尾「いや、お前、背ェひく、イッタ！先輩を蹴るな！」


マジ最低だな。


『僕、トイレで着替えて来ます』

黒尾「へいへい」








なんだかんだ、男バレで固まって帰り道を歩く。

辺りはけっこう暗い。

『あっ、夜久先輩！』

夜久「おう。どうかしたか？」

夜久先輩の背中を見つけ、声をかける。


『支柱のお礼になんかしますよ、僕』

夜久「いいよ、別に。なんもしなくて」

『そういうわけにはいかないので、なんかありませんか？』

夜久「ん〜。じゃあ、夜久先輩はなんか他人行儀だから、下の名前で呼んでよ」

『それだけですか？』

夜久「おう、それだけ」

優しいな、夜久せん、じゃなくて、衛輔先輩は。

『あっ、衛輔先輩、連絡先交換しましょうよ。

走と優生と研磨先輩以外、まだ交換してないんです』

夜久「いいよ。俺もAと交換したいし。

っていうか、研磨と交換したんだな」

『はい。研磨先輩から交換しようって言ってくれたんですよ！』


夜久「研磨からかぁ。珍しいな」

『そうなんですか？』

夜久「あぁ。アイツ他人(ひと)と喋りたがらないからさ。

セッターの後輩ができて嬉しいのかもな」

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