.32 ページ32
.
「 そういや、天気何とか保って良かったなァ 」
『 そうだね. 雷雨になるかも、って言われてたからね 』
朝は少し雲行きが怪しかったけれど、
午後になると天候が優れて行った.
前回に続いて、今年も中止になったら悲しいもん…
提灯が下がり、
屋台の並ぶ道を歩く.
ふと、お面屋の隣に並んだ屋台に足を止めていた.
急に止まってしまったから、実弥くんはどうしたァ?と顔を覗かせた.
『 あっ、ごめん…、風車…気にっちゃって 』
屋台に視線を移した実弥くんは、
あぁ…と納得したかのように声を漏らした.
『 なんでか分からないんだけど、昔から風車が好きでね.
この髪飾りも、この前買ったの… 』
風車を見ると、すごく懐かしく感じる.
カラカラと回っているのをみると、くすぐったい感じもする.
「 ……なら、お揃いで買うかァ.」
俺も好きなんだ、と笑う顔に胸の奥が締め付けられた.
緑色の風車を手に取った瞬間だった__
また、頭痛がおきた.
浮かび上がる、情景.
色とりどりの風車の壁.
少し、いや、だいぶ昔のような色彩__
____ ね、見ていきたいな.
____ ふはっ
____ え、なんで笑うの!?
____ 子供見てェにはしゃぐからよォ
『 ……ッ! 』
バチっと、と隣にいる実弥くんと重なる.
ドクドクと血流が早くなるのを感じる.
頭が、割れそうに痛む__.
痛みで、ふらつきそうになり、
咄嗟に実弥くんの浴衣を掴んだ.
「 …ッ、おい、どうしたァ!? 」
けれど、ぷつりと糸が切れたかのように、
意識を手放してしまっていた.
.
2256人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みお(プロフ) - めちゃくちゃ感動しました…。この作品に出会えて良かったです!! (2022年4月10日 14時) (レス) @page41 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
つめきわに - とても感動するお話でした。シリーズの初めから一気に読んだのですが、止まれませんでした!不死川さんがもっと好きになりました〜 (2021年1月25日 21時) (レス) id: 425fb41c74 (このIDを非表示/違反報告)
Yasuko Yaotani(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました!凄く幸せな気持ちになりました。次回作もたのしみにしてます☆ (2020年12月25日 21時) (レス) id: 2ca8d75cad (このIDを非表示/違反報告)
さとみ(プロフ) - シリーズ一気読みしてしまいました!今更ですがこの作品に出会えて幸せです!他の作品も読ませていただきます! (2020年11月9日 11時) (レス) id: 4be6ea8e94 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 最高でした!連載お疲れ様です!素晴らしい作品に出会えて幸せです!次回作も心から楽しみにしています! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 81d60ec5d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まっちゃろん | 作成日時:2020年4月7日 0時