95、自己紹介 ページ17
「あれ？そういえば君、名前なんていうの？」
金髪お兄さんに指摘されて気づく。よく考えたら私、自己紹介してないわ。下僕扱いされるのに慣れてしまって名前呼びされてないことに全く気づかなかったね！
『Aです。お兄さんはシャルさんでしたっけ？』
「うん、俺はシャルナーク。シャルでいいよ」
久しぶりに普通の会話ができた。この人は割と常識が通じるみたいだ。
ただ忘れないで欲しいのは、この人も私を下僕扱いしてたってことだね
その時ふと隣から視線を感じたので右を向くと黒ずくめの男がこっちを思いっきり睨んでいた
『……え、なんか怒ってますか……って痛い痛い痛い！』
手首を掴まれたと思ったら思いっきりギリギリと締め付けられて、私の腕が悲鳴をあげる
ブンブンと腕を振ると意外と簡単に解放してくれた。疑問に思って男の方を見ると彼はバツが悪そうにこっちを見ていた
「……フェイタンね」
『へ？』
黒ずくめの男はそう言うとプイッとそっぽを向いてしまった。それが自己紹介だと気付いたのは数秒後だった
「何、フェイタン。俺が先にAと自己紹介しちゃって嫉妬しちゃった？」
「そんなんじゃないね。お前、さきから喧嘩売てるか？売るなら買うよ」
あいも変わらずいがみ合う二人の間に第三者の声が響いた
「ちょっと、団員同士のマヂ切れ禁止だよ」
見ると眼鏡をかけた女の子が座ってこっちを見ていた。団員同士ってことはやっぱりこの人たち暴走族か。っていうことはこの女の子も……人は見かけによらないな
「ねぇ、フェイタン。俺、ほぼ1人で旅団の情報担当やってるだろ？ちょっと雑用係が欲しいと思ってたんだ。Aちょっと貸してよ」
『ちょっと、そんな人を物みたいに』
「ダメね。こいつワタシの下僕ね」
『あ、これ私完全無視のパターンですか』
もう、いいし。いじけてやる
床にのの字を書いていたらフィンクスさんに肩をポンと叩かれた
フィンクスさんがただの優しいお兄さんみたいで気持ち悪いです、と言ったら殴られた。本音言っただけなのに
「欲しい物は奪い取るよ」
「はは、やってみるといいね」
あいも変わらず火花を散らす彼らをボンヤリと見ていた
まさか、この後もっとヒートアップした取り合いになるとはこの時の私は思ってもいなかった
“自己紹介”
(名前ってわかんなくても意外とやっていけるもんなんですね)
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ナオミ(プロフ) - 7年経って愛を叫びます (2022年8月20日 22時) (
レス) @page32 id: 835501e0e8 (このIDを非表示/違反報告)
あのね - 私も乗って2年経った今愛を叫ばせて下さいありがとうございます作者様大好きです。 (2022年2月20日 0時) (レス) id: 453c535205 (このIDを非表示/違反報告)
春(プロフ) - すごい五年経った今愛を叫ばせてください大好きです (2020年2月8日 17時) (レス) id: 9f43f80fe7 (このIDを非表示/違反報告)
亜美(プロフ) - Mizさん» ありがとうございます！！光栄でございます(*ﾟ▽ﾟ*) (2016年10月23日 17時) (レス) id: e1e6319445 (このIDを非表示/違反報告)
Miz(プロフ) - ほんと面白い！笑 (2016年10月17日 19時) (レス) id: 05c76846ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜美
| 作成日時：2015年5月2日 10時
