【おそ松さん】猫が人間になったんですけど【一松】

第３２松 ページ35

とりあえず、泣き止んだAの頭を撫でる。
へら、と微笑んだ顔が、なんとなく自分を安心させた。







「…帰ってきたとき、無視してごめん」






ずっと、気にしてたこと。
けどAはにっこり笑って、いいよ！と言った。
…でも、あれはなんとなく嫌だった。







「いちまつ、ちがうにおいがしたよ」







急に告げられた言葉。
さっきの笑顔とは別の、不思議そうな顔。
違うにおい？思い浮かぶのはただ一つ。







「…朝、猫のとこ行ってたから」







そういうと、Aは真正面から抱き着いてきた。
俺の頬に自分の頬を擦り付け、
まるで甘えているかのように。







「…なに、嫌だったの」
「やー！」
「…自分だってチョロ松兄さんに膝枕とかしてもらってたくせに」
「いちまつ、やだった？」







ついついでた本音に、図星。
まぁ、と言ってそっぽを向くと
なぜだろうか、うれしそうな顔をして、擦りついてきた。







…猫に恋とかありえないでしょ。

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