第40松 ページ43
トド松side
兄さんたち寝てるし、僕も寝ようかな。
そう思って寝室に行こうとした時だった。
「ふ、ぁ」
一松兄さんと抱き合って寝ていたはずのAちゃんが、目の前にいた。
目の前にっていうか、起き上がってすぐ前にいた。
「Aちゃん…」
まだ寝ぼけているらしく、目を擦っている。
その手を優しく掴み、
ポケットの中から保湿効果のあるウエットティッシュを取りだした。
「擦ったら赤くなっちゃうから、ね?」
「んー…」
目頭を拭いてやると、つめたい、と言って笑った。
その笑顔で、一気に心が軽くなった気がした。
「とぉまつ」
「トド松ね、どうしたの?」
「…ん、ん」
前に倒れこんできたのは、まぎれもないAちゃん。
そのまま腰に抱き着いて、頭を擦りつけてくる。
溢れ出る嬉しさと、緊張。
どうしたらいいんだろう?
こういうとき…
一松兄さんなら、どうするんだろう。
そう思うとなんだかあまりいい気持ちにはなれなくて。
僕の膝の上に置かれた頭を、ゆっくりと撫でた。
Aちゃんは、幸せそうな顔をして笑った。
「…寝室行こうか?」
なんとなく、出た言葉だった。
ここじゃ兄さんたちいるし、いつ起きるかわかんないし。
今は静かだけど、十四松兄さんすっげぇいびきうるさいし。
よくわかってないんだろうな、Aちゃんは。
無防備にコクコクと頷いちゃって。
そんなAちゃんを抱き上げて、寝室へ向かった。
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ピエロ - ヤバい。この一言に尽きます。 (2016年1月31日 14時) (レス) id: f72c683019 (このIDを非表示/違反報告)
Rei ☆ ミ - ヤバッ!!猫耳夢主とかチョー↑萌える (2016年1月15日 23時) (レス) id: 55b3e272b5 (このIDを非表示/違反報告)
無音 - おいしい( (2016年1月6日 2時) (レス) id: 274463ee26 (このIDを非表示/違反報告)
カノLOVEにこにー - え、めちゃくちゃ神作( ・_・ )更新頑張ってください!! (2016年1月5日 9時) (レス) id: 694daa01c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきっち - わぁああああ////一松ヤバイです大好き!!トド松も好きだぁ〜!更新頑張って下さい! (2016年1月5日 1時) (レス) id: ee1b30da71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せいや | 作成日時:2015年11月15日 15時