9＿＿鳴禽楼 ページ10
僕が鳴禽楼へ足を運ぶと、行ちゃんの奉公人達が慌ただしく走り回っていた
1匹の梟妖怪が行ちゃんの部屋へと案内をしてくれる
「行政様は現在お体をお休めになられております」
『仕事の分割は？』
「今のところ、行政様の目を通していただかなくてはいけないものが多く…」
『…そうか』
これからの隠世はもっと慌ただしくなることだろう。
今の現状で行ちゃんが辛いのならば、天皇としてまた一つ見直しが必要だな、などと考えながら歩いていると行ちゃんの部屋についたようだった
コンコンと2度ノックをするが返事が帰ってこない
奉公人に充分だと礼を伝えて部屋へと入る
入り口から離れたところに置いてある一つのベットに歩み寄ると、目の下に隈を作った行ちゃんが眠っていた
『あんなに仕事を…』
デスクに目をやると、まだ少し高い山を作った書類が乱雑に置かれている
締め切り期限は今日まで。
『ゆっくりお休み』
行ちゃんの乱れた前髪をサラッと分けて、デスクに近付いた
警戒心の強い彼がここまで爆睡しているとは、かなり疲れているのだろう
椅子に座って書類に一つ一つ目を通していく
学校設立案、各店舗の予算案、等どれも天皇に流れてくる内容とそんなに変わりはない
さっさと済ませると時を知らせる柱時計がボーンと心地良い音を響かせる
行「…！そこにいるのは誰です？」
その音で起きた行ちゃんが僕の姿を確認して臨戦態勢を取った。
『今回の案件は割と楽だったよ。行ちゃん休めた？』
行「Aですか！？僕の仕事を…態々すみません」
ふらふらとした足取りで僕を抱きしめる行ちゃん
普段はオールバックなのに、今日は寝起きだから乱れた髪が所々顔にかかって謎の色気を撒き散らしていた
『いつもお疲れ様』
行「はぁ…貴方を見ていると疲れなんて飛んでいきますよ」
『それは良かった。』
行「好きです。愛しています。」
『…行ちゃん力強い、苦しいよ』
ギュウっと強くなる抱擁を和らげようと頭を撫でる
婚約者とは言われているが、正直僕はまだ誰とも結婚する気は無い
こうして抱き着く行ちゃんも、生まれ持った性が影響して、時期的に求愛行動をしているものだと僕は思っているし……
…それにしては、1年間とはとても長い気もするが
まぁ、気にしていたら次が始まらない。
僕は行ちゃんの頭を撫でながら、力強い抱擁を本人の気が済むまで受け入れていた
それは夕日が僕達を優しく包む夕暮れ時の事。
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氷夜猫(プロフ) - 凛歌さん» 返信が遅れて大変申し訳無い！;;暖かなコメ有難う御座います！まだ見ていて下さるのならばこれからも何卒宜しくお願いします！ (2017年10月15日 10時) (
レス) id: 733ee73110 (このIDを非表示/違反報告)
凛歌 - 友達から勧められて読んでみたんですが、とても面白かったです！更新頑張ってください！！(^^)y (2017年8月8日 16時) (レス) id: bd63f33454 (このIDを非表示/違反報告)
氷夜猫(プロフ) - 翔也さん» 暖かなコメントを有難う御座います！確かにあまり知られてないですよね…そのお気持ち分かります(´ー｀*) (2017年5月20日 15時) (レス) id: 733ee73110 (このIDを非表示/違反報告)
翔也(プロフ) - モノノケ庵なのじゃぁぁぁぁ！！面白いです！更新頑張って下さい！僕の周りにモノノケ庵知ってる人少なくて悲しい. : * ~ * : . _ . ( 寂 ´ ・ ω ・ ` 、 ) ｼ ｮ ﾎ ﾞ ﾎ ﾞ ﾎ ﾞ ｰ ﾝ (2017年5月12日 7時) (レス) id: 8a71459d56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷夜猫 x他1人 | 作成日時：2017年4月1日 8時
