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酷く荒れた海だった。
船一隻も通らない海の岩陰で、人間から必死で逃げてきたであろう男が、傷を癒やすために一つの岩穴に近づいた
やっと休める。
そんな面持ちで覗き込むと、そこには先客がいた
体は鳥でありながらも顔は美しい女性の妖怪
セイレーン。
空を飛んでいるうちに落雷にでもあったのか、そう思いながら近寄ると彼女の顔は青白く死を連想させるものだった
「大丈夫か!おい!!」
危険を悟った男は直ぐさま人工呼吸を始める
水を大量に飲み込んでしまったのだろう
ゲホッと口から水を吐き出した女性は苦しそうに目を開けた
「お前は誰だ…人間か…?」
「俺は人間ではない。ハルフゥ一族だ」
「そうか、ならば視てみろ。私の未来を。一族に殺される未来を!何故助けた!!」
「俺だからだ。落雷にと思ったが何だ、人間に負けたか陸地のセイレーン。」
「くっ…!!」
出会いこそ最悪だった二人だが、これがまさか運命の出会いになるとは、未来予知の力を持ったハルフゥでも知らなかっただろう。
お互いに顔を合わせれば一戦交えるほど、仲は悪かったが苦悩に悩んだ時はお互いに手助けをしあう仲でもあった
それはお互いに人間に苦しめられる過去を持つもの同士だったからなのかもしれない
セイレーンの撃退を知った人間は次々とセイレーンを海に堕とし
ハルフゥの男は人間に友好的だと子供を捕まえては家に閉じ込め、未来を聞いて儲けていった。
2つの種族は対象的だった
人間にとって害を与えるものと幸を与えるもの
しかし
2つの種族は同じであった
人間によって苦しめられる者同士
それから二人は痛みを分け合うものとしてお互いを理解し、より良い関係を築いたことで二人の子供を身籠った
双子の子供を。
子供達には苦しみを与えるわけには行かない。
その願いの強さから
二人は隠世と呼ばれる世界を生み出した
神は見ていたのだ。
だからその力を貸し与えた
神に恵まれた二人は人間に苦しむ妖怪達や力の関係で現世にとどまれない者たちに居場所を与えた
三権を作り、安定を図ることも進め
子供が大きくなる頃には何千年と時が経っていた
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これが隠世ができた経緯と、隠世に残る古き歴史。
天皇という存在がいかに大きいものなのか
それが良く分かる物語…
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氷夜猫(プロフ) - 凛歌さん» 返信が遅れて大変申し訳無い!;;暖かなコメ有難う御座います!まだ見ていて下さるのならばこれからも何卒宜しくお願いします! (2017年10月15日 10時) (レス) id: 733ee73110 (このIDを非表示/違反報告)
凛歌 - 友達から勧められて読んでみたんですが、とても面白かったです!更新頑張ってください!!(^^)y (2017年8月8日 16時) (レス) id: bd63f33454 (このIDを非表示/違反報告)
氷夜猫(プロフ) - 翔也さん» 暖かなコメントを有難う御座います!確かにあまり知られてないですよね…そのお気持ち分かります(´ー`*) (2017年5月20日 15時) (レス) id: 733ee73110 (このIDを非表示/違反報告)
翔也(プロフ) - モノノケ庵なのじゃぁぁぁぁ!!面白いです!更新頑張って下さい!僕の周りにモノノケ庵知ってる人少なくて悲しい. : * ~ * : . _ . ( 寂 ´ ・ ω ・ ` 、 ) シ ョ ホ ゙ ホ ゙ ホ ゙ ー ン (2017年5月12日 7時) (レス) id: 8a71459d56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷夜猫 x他1人 | 作成日時:2017年4月1日 8時