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“私、また貴方に恋しちゃったみたいです”
隣に座っている彼女にそう言われ、息を飲んだ
チラリと彼女の顔を見ようとすると、反対側を向かれていて表情は分からなかった
(…………何て、言えばええんやろ)
今朝言われた彼女の言葉が頭の中に流れる
『貴方が好きなのは前の私でしょう?』
さっきまでは“何であんな事言ったんだろう”そう思っていたけど、今の告白を聞いて納得する
俺のことが好きだからこそ、前の自分と比べられて辛い、そういう事なんだろう
確かに俺は、“今の彼女”が好きかと聞かれたら答えに迷うだろう
記憶が無い彼女は、姿が同じだけで最早別人だから
だからと言って、今の彼女の事を好きになる可能性がないとも言い切れない自分が居るんだ
「………………俺さ、思ったんよね」
途切れ途切れに言葉を紡ぐ
ごめん、今の君が望む答えじゃないかもしれない
“どうして突き放してくれないの”と言われるかもしれない
だけど、これが今の俺の答えだ
「きっと……今の君に最初に会ってたら、君に恋してたと思う」
前を見据えながらそう言った俺に、視界の隅で彼女は俺の方を向いた
彼女の方を見ないまま俺は続ける
「………記憶が無くてもAだから、とか……そんなドラマみたいなやつじゃなくてさ………普通に惹かれてるんよ、君に」
「変に気にする所とか、涙脆い所とか……こうして変に真っ直ぐな所とか」
「Aのことを忘れないまま、君という存在にも惹かれてる……傍から見たら最低な奴やけど………自分の気持ちに嘘はつけんから」
“好き、まではいってないけど……いつか俺は君に恋してしまうかもしれない”
言い切った、自分の気持ちを
信号が赤になり、車を止める
彼女の反応が気になって、顔をのぞき込むと
「─────それで充分です」
彼女は満足気に微笑んでいた
………目に涙を浮かべながら
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ゆあ 。(プロフ) - はじめまして!今更ながら『忘 却』のお話全て読まさせて頂きました。最初から涙が出そうになるくらいしんどくて、途中からはずっと泣きっぱなしで読んでいました(笑)とても素敵な作品でした! (2019年9月18日 12時) (レス) id: 3af7c8b63d (このIDを非表示/違反報告)
はる@坂田家 - はじめまして!今更ながら一気に読ませていただきました!さかたんがかっこよくて、かわいくて…涙が止まりませんでした。現在、きゃろっと。さんの作品を巡回中…どの作品もすてきなので次の作品に期待しますw (2019年8月16日 22時) (レス) id: ca03128f9d (このIDを非表示/違反報告)
みはる - 私事ですがこれを見て懐かしい先生を思い出しました。先生はガンで亡くなってしまいました。あの時1人でも不調に気が付き休ませていたら…。先生は生きていたのではないかと。私達の卒業式にも参加出来ていたのではないかと。思いました。私事ですが、この作品を読んで (2019年3月31日 0時) (レス) id: edefb05f29 (このIDを非表示/違反報告)
そら - 本当に面白かったです!素晴らしい作品をありがとうございました! (2018年3月31日 21時) (レス) id: 8291706c49 (このIDを非表示/違反報告)
るや@坂田家 - めっちゃ号泣しました(;~;) 記憶戻ってよかったぁってなりましたww (2018年2月21日 23時) (レス) id: c71806e144 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゃろっと。 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年8月26日 15時