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現実 ページ11

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「…………ここも、思い出の場所………なんですか」

「うん、たまに泊まりに来てたんよ」







場所は変わり、今は今日泊まるという旅館

窓からは、先程まで眺めていた星空が少し見えて

“いい所ですね”なんて坂田さんに微笑みかける



そんな私を見て、坂田さんはくすりと笑った





「ど、…………どうしたんですか」


何かおかしな事でも言ったかと、首を傾げながら問うと





「ううん、Aが少しずつ笑ってくれるようになったのが嬉しくて」



なんて言われて

人の事でよくそんなに嬉しそうな顔出来ますね、って捻くれた考えしかできない自分に少し嫌気が差す

荷物を置いて、まずは温泉に行こうかと腕を引かれる



男湯と女湯ののれんの前で分かれて、服を脱いで中へ入ると







(……………おお、広い)





温泉がどんなものなのかは流石に何となく分かっていたけど、想像以上に広かったし気持ち良さそうだ

体を洗い、露天風呂の方へと足を運ぶ




ガラリとガラスの戸を開けて、息を呑んだ








「……………………っ」





─────だって、見た事がある気がする景色が広がっていたから


完璧に思い出せた訳では無いけど、何処か心に引っかかるような

そんな景色





ゆっくりとお湯に浸かり空を見上げる

さっきより周りが暗くなったせいか、一層際立つ星々の輝き


…………何だろう、眠いな









“坂田、坂田ー!見て見て!星綺麗だよ!”



“分かったから露天風呂で大声出さんといて!?”



“ふふ、ごめんねー!どうしても伝えたかったからさ!”









「……………んん……」


やばい、少し寝かけてた

露天風呂で寝るなんて、と思いながら慌てて出る

………何だか夢を見た気がしたけど、もう忘れちゃったや








坂田さんにも後で“星が綺麗でしたね”って伝えよう

きっと外で待ってくれているであろう坂田さんをこれ以上待たせるまい、と私は着替えを急いだ









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ゆあ 。(プロフ) - はじめまして!今更ながら『忘 却』のお話全て読まさせて頂きました。最初から涙が出そうになるくらいしんどくて、途中からはずっと泣きっぱなしで読んでいました(笑)とても素敵な作品でした! (2019年9月18日 12時) (レス) id: 3af7c8b63d (このIDを非表示/違反報告)
はる@坂田家 - はじめまして!今更ながら一気に読ませていただきました!さかたんがかっこよくて、かわいくて…涙が止まりませんでした。現在、きゃろっと。さんの作品を巡回中…どの作品もすてきなので次の作品に期待しますw (2019年8月16日 22時) (レス) id: ca03128f9d (このIDを非表示/違反報告)
みはる - 私事ですがこれを見て懐かしい先生を思い出しました。先生はガンで亡くなってしまいました。あの時1人でも不調に気が付き休ませていたら…。先生は生きていたのではないかと。私達の卒業式にも参加出来ていたのではないかと。思いました。私事ですが、この作品を読んで (2019年3月31日 0時) (レス) id: edefb05f29 (このIDを非表示/違反報告)
そら - 本当に面白かったです!素晴らしい作品をありがとうございました! (2018年3月31日 21時) (レス) id: 8291706c49 (このIDを非表示/違反報告)
るや@坂田家 - めっちゃ号泣しました(;~;) 記憶戻ってよかったぁってなりましたww (2018年2月21日 23時) (レス) id: c71806e144 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きゃろっと。 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年8月26日 15時

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