平安時代の魔獣使い

初相棒はフォッコちゃん ページ4

「と、とりあえずシェイミちゃん、アロマセラピーお願い出来る？」
「ミ！」


拾った子供は多分だけど多肢症。腕と閉じられている目が一対多い。

今までに受けた迫害だとは思いたくないけど、身体中傷だらけだった。


「まぁ、確かに初見だとビックリするよね。時代も時代だし」


私が入院していた病院にも、似たような子が一人いたなぁ。
まぁあの子は多指症だったし、手術受けてちゃんと退院したけどさ。




こういう身体に異常が出てるのが分かりやすい病気って、初めて見た時はさ、予備知識があっても驚いちゃうよね。

病気って事すら知らないこの時代の人達からすれば、それこそ妖怪とか、何か良くないものの類だと思うのは当たり前なんだよなぁ、悲しいけど。





「怪我やばいな……シェイミちゃん大丈夫そー？」
「ミ！」


反応的に大丈夫そうだ。
なんせ、彼女は映画でギラティナという超巨大なポケモンを回復させている。シェイミちゃん自体は小さいのに。


「せめてかかいふくのくすりとかあればなー。どこにも売ってないし、そもそも人に効くのか知らないけど」


深い溜息をつくと、よく隣に侍らせているトゲデマルがぽてぽてと寄ってきた。いや効果音かわゆす〜。







……待って引き摺ってんのかいふくのくすりじゃね？


「トッ、トゲデマルちゃ、そ、それ……


んも〜〜〜ウチの子天才過ぎ〜〜」
「マキュ！」


どこから持ってきたのかとか、なんで私がちょっと疲れているのかとか、そんなしょ〜もね〜事はどうでもいい。


今はただ、この愛くるしい生き物に感謝を。


「シェイミちゃんもありがとねー」
「ミー！」


スプレー状の薬を吹き掛けると、パチリと子供が瞼を持ち上げた。
即効性すぎてもはや草生えちゃうよね。これ作った人何者？？？


「……！？！？」
「そんな猫みたいに飛び上がらんくても。
怪我人、痛みとかある？」
「……？ない」
「良かったねー！」


怪訝そうな顔付きでこちらを見つめる子供。完全に戦闘態勢に入っている。
怪しさもあるんだろうけどさ、ブッサイクだなーとか思ってんちゃぁぁん？？


「……なんだそれ」
「お゛ぉん？それとは失礼な、シェイミちゃんと……あえ、見えている！？！？」


子供が指さした先にいるのは、シェイミちゃんとトゲデマルちゃん。







やべぇ歴史が動いた……ごめんレッド様、ごめんマサラタウンのバーサーカー。









私、お前らが子供に夢と希望を与える機会を奪ったわ。

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