【澁澤龍彦・愛は盲目】※あやな様リク ページ38
※DAネタバレあり
──この「骸砦」に来てからどれくらい経っただろうか。
街で彼を一目見て、憧れた。
真っ白な肌と髪に紅い瞳が印象的で、ただそれだけを頼りにしたのに。
辿り着いたのは、奇跡か、運命か、あるいは──神の思し召しとでも言おうか。
「絶対、絶対、足手纏いにはならないから、……私を、ここに置いてください」
そうやって、何度も頼み込んで、頼み込んで──ようやく受け入れてもらえた。
嬉しかった、だって愛した人の側に居られるのだから。
「澁澤様、澁澤様」
「何だい……ああ、ありがとう、A」
「いいえ、何なりとお申し付けくださいね」
愛した人の側にいて、愛した人のために生きている。ただそれだけが至高の時間。
この時間が永遠であればいいのにと、何度願っただろう?
「愛は盲目、ということですかね」
部屋から出ると、黒髪の男──ドストエフスキーさんがいて、ぼそりと呟いた。
「……それは、どういう意味で?」
「悪いことは言いません、早く離れた方が身のためですよ」
「ドストエフスキーさん……盲目といいますが、それは見ようとしてないだけなんですよ。私はきちんと見えています」
私は、向き直ってそう伝えた。
「……ほら、盲目だ」
そう呟いた彼の言葉を、知らないふりをした。
──それから、ただ一瞬の間に、愛した人はどこにもいなくなった。
「……澁澤様?」
ころん、と、林檎が転がる。
愛した人の面影などどこにもなく。
「……澁澤、様」
「だから言ったでしょう、貴女は例に漏れず盲目だ、と」
────愛は、幻。
【澁澤さんわからない……こんなんでよかったんだろうかという後悔が襲ってくる。DA見たの結構前なんで、小説引っ張り出して来てぺらぺらしながら書いてました。
書くのがむずかしい夢を悲恋にするのやめたい。
リクエストありがとうございました!】
【谷崎潤一郎・叶わない?】→←【探偵社・とある神様の退屈凌ぎ】
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黒バイ(プロフ) - 正装の国木田さんイケメンすぎですよね!死にそうになりました。 (2018年9月27日 14時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - こちらこそリクエストにお答えしていただき有難う御座います。またリクエストする時がありましたら、その時も宜しくお願い致します。 (2018年8月30日 20時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
あやな - リクエスト消化ありがとうございました。賢治くんなら確かに受け入れてくれそうですね。ありがとうございました。 (2018年8月29日 22時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - リクエスト宜しいでしょうか?国木田さんの誕生日を祝う…と言うお話をお願い致します。 (2018年8月29日 21時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
あやな - 書きやすい方で書いてもらって大丈夫です。よろしくお願いします。 (2018年8月25日 14時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゃめろん | 作成日時:2016年10月18日 22時