ごめんね。そして――ありがとう。

１６、過去の思い出２〜クオside〜 ページ18

クオside

*

未来は、ただ、

み「クオをいじめるのダメッ！もうやめて！」

＊

そう言っただけなのに。

＊

＊

「初音には関係ないだろ！」

み「関係、あるもん！クオは、私の大事な友達だもん！！」

「うっせえなぁ、黙ってろ！」

＊

ガッッ

＊

＊

み「――っ！！」

く「未、未来っ！」

＊

「なあ、ジャマだから初音もイジメちゃおーぜ！」

「あぁ、二人一緒の方がいいよなぁ？」

＊

俺は、情けないことに、そいつらに立ち向かえず、ただ泣きながら先生を呼びに行くことしかできなかった。

＊

「あっ、ヤベっ！せんせいくるぜ！」

「クオ・・・覚えてろよ！」

＊

奴らは、そう言って逃げていってしまった。

＊

未来の顔ははれていて、足にも擦り傷がついていた。

く「未来・・・俺・・・ごめんっ・・・」

み「ううん、大丈夫！クオがなぐられなくて、よかった！そろそろ、帰ろ？」

＊

涙を拭って、未来は笑ってそう言ってくれた。

けれど、俺は、悔しくて、悲しくて、未来に申し訳なくて――。

＊

＊

＊

その時に決めたんだ。

これからは、未来に迷惑はかけない。

＊

＊

もう、未来のあんな悲しげな顔を見たくない。もう、未来が殴られるとこなんて見たくない。

＊

＊

＊

――だから、未来には俺が今苛められていることは言わなかった。

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