ごめんね。そして――ありがとう。

１２、クオの異変 ページ14

・・・最近、クオの様子がおかしい。

＊

＊

あの日から、上履きはしょっちゅう無くなっているし、たまに手紙のようなものも入っている。

＊

クオは、「大丈夫、どこにあるかわかるし。」といって、明るく振舞おうとするけれど、私には、「作っている」のがバレバレだ。手紙だって、泣きそうな顔をして読んでいるのを知っているのに、内容を聞いても、教えてくれない。

＊

＊

――私は、クオが苛められているのではないか、と思った。

でも、クオの友達のレン君に聞いても、

れ「クオ？え、俺は変わってないと思うけど。毎日楽しそうだよ。」

って言われた。

＊

じゃあ、違うのかな、と一瞬思ったけど、クオは、最近元気がない気がする。些細な変化だけど、なぜかわかるんだ。

＊

＊

そこで、鈴ちゃんとグミナちゃんに相談もしてみた。

み「あのね、最近、クオの元気がないの・・・。上履きとか、隠されることもあってね、苛められてるのかなぁ・・・？」

り「嘘っ！あのミクオ君が！？・・・その情報はまだないから、今日、調べてみる！」

ぐ「苛め・・・？B組で・・・？うん、私も、ヴェノマニアに聞いてみるわ。」

み「うん・・・二人とも、ありがとう！」

＊

明るく笑って見せたけど、本当は不安で押しつぶされそうだった。

私の勘違いならいいけど、もしホントに苛められてたら・・・！

＊

＊

クオに、「今日のお昼も、一緒に食べよう！」とメールを送っておき、屋上へ行く。

最初に一緒にお昼を食べた場所。入学式から、いつもここで食べている。

＊

あ、クオだ・・・！

く「未来、遅くなってすまん！弁当、食べようぜ！」

＊

クオは、相変わらず明るく振舞う。

思い切って、聞いてみようかな・・・？

＊

＊

み「うん、早く食べよう。・・・・・ねぇ、クオ。最近、変わったことって、ある？」

そう聞くと、クオはビクッと肩を震わした。

そして、気まずそうに、水筒のお茶を飲み、一息ついたあと、口を開いた。

１３、一安心→←１１、ある日の予兆〜クオside〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す