ボカロPですが、歌い手始めました。 【歌い手】

17話　貴女side ページ18

9「うわー…休日だからか電車混んでるなー…」


『うわ…』


昨日はちゃんと座れたのになー…


今は座るどころかまともに立つのが困難だよ。


『……えっと…大丈夫ですか…？』


9「んー、平気平気！！手すりみたいなの掴んでるから。」


……いやでも96猫さん埋もれない…？



…しばらくは我慢か…


暑苦しいな…




……あー…誰かの荷物が腰に当たってちょいくすぐったい…


くすぐったりなの本当に慣れたい…


だっていつだか猫が膝に乗ってきただけでくすぐったかったし…


本当に勘弁勘弁。





ｻﾜｯ


……！？


…違う。これ、荷物じゃない。



明らかに意図的に動いている。


後ろを振り向くと、スーツを来て一見マジメそうな人がいた。


目があった瞬間ニヤッと笑みを浮かべる。


気持ち悪いし、恐怖心が沸き上がってきた。






……それと同時に、









昔の記憶がよみがえってきた。








中学生のころ、空き教室に閉じ込められ、僕の初めてを奪われた時、






そしていろんな奴から、玩具のように雑に扱われていた毎日がフラッシュバックしてくる。






あの時は本当に痛みしか感じなかった。





今はそんなことないけどこの後絶対僕の体は壊されるんだな…



「……君、背が高くて綺麗だね。


その割には気弱でおとなしいみたいだけど。」




恐怖で身体が固まって動かない。



怖い。怖い。




そいつの行為は、僕が無抵抗なことをいいことに、どんどんエスカレートしていく。






……やだ。やめて。




口を動かすが、出てくるのは息だけで、声が出てきてくれない。




9「……みぞれ？どうした？


っ！？」



……気付いた。



9「お、おい！！何して…！


と…とりあえず降りよう！！あとちょっとでつくから！！」



運が良かったのかなんなのか、ちょうど電車が止まったので、96猫さんに引っ張っられながらも電車から降りた。

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