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次の日。
監督が何やら屋上に朝から集合だとか言うので一応向かってみた。
あの後練習の風景を見てはいたけれど、やはり勝利にありつくのはいつになることやらというレベルであった。
あれで勝利を目指すなど...まったく呆れる人種が居たもんだ。
階段を登りきって扉を開く。
するとなにやら部員たちが決意表明を叫んでいた。
なんつーことやらせてんのさ、この監督は...
因みにいうと下には朝礼だから生徒が集まっている。
「ったく...。」
ここは口出しせずに私はその場から引いた。
どうせ直ぐに先生にでも見つかってお説教コースだろうし。
そんなことにまで巻き込まれたくない。
しっかし、決意表明を聞く限り無理難題なレベルが多いもんだ。
目標が高すぎてもダメだと思うんだけどなあ。
そんなやつほど心が折れやすい。いや、折られやすい。
近い試合だとインターハイか。
それでどこまでいくか。どこで自分達の実力を知るか。
とても見物である。
自然と己の口角が上がっているのが分かる。
笑っている。楽しみなのだ。
無謀に挑んで力が及ばず崩れる姿が目に見えているから。
膝をついて無力に絶望する姿が楽しみなのだ。
私は駆け足で外に向かった。
そんな期待に胸を膨らませながら。
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