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とりあえずさっと資料に目を通していった。
簡単なプロフィールや、バスケのスタイル。その他使えそうな情報が結構ある。
一体これだけの情報をどこから手に入れて来たのか…。
気になるところだがひとまずそこは置いておこう。

他にも何種類かの資料に目を通す。
ふと気になる顔が一人映ったので私はそこで手を止めた。

「あれ、この子確か誠凛の…。」

黒子テツヤ。

はっきりとそこに示された名前と顔は、どう足掻いても見た事のあるものそのものだった。
しかし、驚くべきはそこではない。
彼がキセキの世代であると、なぜ私は気づかなかった?

誠凛で一度会った時も、試合を観た時も。

彼がキセキの世代であるというオーラが無かったからか。
それともなにか他の理由が?
…分からない。考えても情報が少なすぎて分からない。

この資料に書いてあるのは幻のシックスマンであるということだけだ。
それ以外は何の変哲も無い情報。

なぜこんな子がキセキの世代?

思い出せ。試合のときの彼の情報を。
確かとてつもないパスをしたのは覚えている。
それと他は?他には何か…。

「あ。」

影の薄さだろうか。
試合を観ていてもどこに居たのかも分からない。

その影の薄さをプレーに利用する?
影の薄さ…パス…シックスマン…。
繋げろ、このすべてを繋げるんだ。

…ダメだ。
他のチームの試合を観てなさ過ぎてさっぱり分からない。
ここに来て仇になるとは…。

「なーにさっきから難しい顔してんの?…あ、こいつこの前の試合にいたじゃん、ねー花宮。」
「あ?…いたな。こいつがどうしたんだよ。」
「いや、この子のプレースタイルが知りたくて。」

それさえ知れば。むしろそれがカギになる。
それにこの子もキセキというのなら。

私にとっては、潰す相手の一人でしかない。

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設定タグ:黒子のバスケ , 霧崎第一 , 誠凛高校   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:煌夜 | 作者ホームページ:  
作成日時:2017年4月3日 15時

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