5章 新生活 ページ18
霧崎に転入してからはや数日。
思っていたよりもこっちの生活には馴染みやすく、過ごしやすかった。
何より、真がいることで色々な捌け口になっているのだ。
「ねーえー、真ー。」
「んだよ、うっせえな。」
しっかし真の対応は塩である。
私は何にもしてないよ、苛々させるようなことしてないからね!?
「何そんなに怒ってんのさ。」
そう言って真の手元を見ればバスケの大会の記事が載っていた。
そこにはでかでかとキセキの世代のことがかいてある。
どうも、真はコレが気に食わないのだろう。
「チッ。どいつもこいつもキセキの世代ばかり言いやがって。」
「そんなに嫌なの?この子達のこと。」
「才能がどうだのとばかりいうのが気に食わねえ。天才でも秀才でも壊れりゃタダのガラクタに成り下がるのによ。」
...才能でここまで勝ちあがった天才集団。
キセキの世代は云わば、天才の集まりといえよう。
しかし、私はこの子達をまだ嫌いとはいえない。
「でも、この子たちを潰すのがあんたのやり方でしょ?」
「ふはっ、俺達のやり方と言うより、お前がそうしたいんだろうが。」
真はお見通しだ。さすがの頭脳である。
「まあね〜。でもさ、あんた達ならやってのけそうじゃん。」
「ふはっ、当たり前だろうが。」
「まあ、問題があるとしたら何処の高校に行くか、だよね。」
彼らの進学校。
それによっては今以上にやっかいな敵にもなりかねない。
私としては、桐皇には是が非でも行って欲しくない。
あの今吉先輩がいるのだ。
やっかいな人にやっかいな人が重なると面倒なことこの上ない。
「ま、どこに行こうと関係ないけどね。」
だって、私達がすることは変わりないのだから。
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