9話 ページ11
いいところを持っていかれた黒田は何か言いたげな表情をしていたが、必死に堪え相づちを打つ。
「それだけじゃない。旗印戦は旗印を掲げた側が負けた場合、旗印戦の参加資格は奪われる」
「でも、挑戦される側が負けても獲得したポイントは減らずにそのままです」
「つまり、」
「つまり！！ 武田は負けても失うもんがない！！」
「っあのさぁ！！ 秀吉くんなんなのかなさっきから、自分で喋れば良いじゃん？ じゃあ」
「ふ、ふふ」
ついに我慢の限界らしく秀吉に物申したが、後ろに座っている4人からブーイングを受け大人しく座った。
「しかし、武田は何故トイレに籠ったんだ？」
「それは……」
「んっふ！」
ただでさえ、ムキになる黒田に笑っていたのに、突如としてスクリーン前に現れた伊達政宗にとうとうツボってしまった。
「作戦を練るためだ」
「さっきから誰なんだよ！！」
「気付くの遅くないか！ ……フレディマーキュリーだ」
「ふっ、ゴホッゴホッ！」
「馨！？」
「私とフレディは9月5日……同じ誕生日だ。国を超えた誕生日と……覚えてくれっ」
決めポーズを取ろうとしたが意外にも身体が固く、思ったより後ろに反らなかったためスクリーンに被ってしまった。そのため、これまた盛大なブーイングを受けた。
拗ねた伊達は胸毛を千切っては投げ、千切っては投げ、教室から出ていってしまった。
「馨、ゆっくり。ゆーっくり呼吸するくさ」
「はーっ、はーっ……ふ、」
加藤は、未だふるふると身体を震わせる馨の背中を優しく叩いたり、擦ったりしながら旗印戦の続きを見る事に。
「まぁ、何にせよ武田は手も足も出ずか」
「武田くん……」
「井伊は武田を見くびり過ぎてる」
ようやく呼吸が落ち着いてきた馨は、ポケットから飴を取り出した。物によって色の違う飴(両親の気遣いの結果)……今日は水色の物をつまらなさそうに口に入れた。
「武田のすごさは、僕が嫌と言うほど知ってる」
男の友情ってやつでしょうか、と目の前にいる上杉とスクリーンに映る武田を交互に見やった。
しばらく大人しく旗印戦を見ていたが、丸太でドアを壊そうとする場面ばかり。ドアが頑丈すぎるのだ。そろそろ同じ画面ばかりで飽きてきたなと思ったその時
「みやび様……？」
ギャルのような女子生徒3名が、みやびの身体を棚に強く打ちつけた後、頭を掴み床に張り倒した。
「許せませんね」
馨史上1低い声だったと、後に加藤は語る。
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タカコ(プロフ) - 嬉しいです！楽しみにしてます！ (2022年10月6日 11時) (
レス) id: e1a7229537 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - タカコさん» 旗印戦のあれこれは本編にねじ込む予定です。馴れ初めは番外編に入れてもいいかもしれませんね！ ご意見ありがとうございます！ 近日中に出す続編でも番外編について触れてみようと思います！ (2022年10月6日 11時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
タカコ(プロフ) - はい、最終回後の話やドラマでは無かったオリジナルの旗印戦、加藤くんと夢主ちゃんの馴れ初めなんかを読んでみたいです(*≧∀≦*) (2022年10月6日 8時) (レス) id: e1a7229537 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - タカコさん» コメントありがとうございます！ 今のところ考えてはいませんが、こういうシチュエーションが見たい！ という希望が多く集まればやる可能性もあるとは思います。最終回より後の話を番外編にするのもアリですね🤔 (2022年10月6日 2時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
タカコ(プロフ) - Chiharuさん、一つ質問します。この小説の番外編って作る予定は無いですか？ (2022年10月5日 23時) (レス) id: 3e1c504208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chiharu | 作成日時：2022年9月25日 5時
