地獄の轟くん家<入門編> ページ15
『私は遠慮します!ご兄弟で、楽しく過ごしてください、あはは』
“ご家族”じゃなくて、“ご兄弟”という言葉に焦凍くんのお姉さんが反応した。
確かに、何も知らない人ならご家族でって言うだろうな。
でも、過去を知ってる私はご家族でとは言いずらかった。
「…姉さん、過去のこと、知ってるんだ。Aは。」
「えっ…?」
『ごめんなさい、その、私の個性でエンデヴァーの過去を見たことがあって…、』
「そっかぁ、だったらちょっと気まずいかな。」
寂しそうに笑う焦凍くんのお姉さんは、ポリポリと顔をかいた。
『気まずいとかじゃなくて、他人の踏み込んじゃいけないところに踏み込んでしまった罪悪感で…。
兄弟同士で仲がいいのも、2人の雰囲気からわかったし、焦凍くんの過去見て、お兄さんともあんまり会えてないの知ってたから…』
言い訳っていうんだろうなこれ。
言い訳したらもっと空気的に気まずくなるんじゃないかな。
「大丈夫だ、A。見たものは事実だ。Aが罪悪感を感じなくていい。だから、来ても大丈夫だ。」
「ほんといい子、気使ってくれたの?私はぜひ、来て欲しいなぁ。焦凍もこんな言ってるし。どう?Aちゃん」
『えと、じゃあお言葉に甘えて…。あ、じゃあちょっと兄に電話してきます。』
お母さん、お父さんというワードを出すのがなんとなく居心地悪くてお兄ちゃんに電話をかけた。
『あおねーちゃん?今日、外でご飯食べてくる!』
「お母さんが学校から早退させたって電話があったのに家にいないって怒ってる。なにか土産買ってこい。」
『ラジャー』
「お母さんの機嫌取りした俺にも別で買ってこい」
『むりじゃね』
「は!?お…」ブチッ
お母さんには、コンビニの中で一番高級なスイーツを買って帰ろう。
焦凍くんと焦凍くんのお姉さんの元へ戻り、電車で轟家に向かった。
…
「改めて挨拶するね。焦凍の姉の冬美です。よろしくねAちゃん」
『焦凍くんの友達のAです!』
冬美さんは、小学校の先生をしているらしい。
私の小学生の頃冬美さんみたいな先生いたら熱でも学校に行ってたよ!?!?
生徒と仲が良さそうな先生だなぁ。
いいなぁ。
…
『おわーおうちデカイね』
「父の趣味だ。」
『ハイセンス』
「さ、どうぞどうぞ。」
The日本家屋なお家で大きかった。
大きなもんをくぐって毎日学校に行けるってなんかすごくセレブになった気分味わえるじゃん!
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はないかだ(プロフ) - この作品最高です!おもろすぎて毎回笑っちゃってます!これからも頑張ってください! (2023年3月30日 14時) (レス) @page17 id: fc111752b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななし | 作成日時:2023年1月15日 18時