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第49話 嫌な帽子 ページ22

「やっと終わった」





人息つく間もなく早足で仕事が終わった。
溜まっていた二日分の仕事を三時間で終わらせたのは流石にすごいと思う。




『お疲れダザイ君』




そう言ってお茶を渡してくれたので一口だけ飲んで返しておいた。





『これは間接キスしてもいいと?』



「やめてください」




お茶を奪い取って片手に持ちながらため息をつく。




『あ、そうだ。この辺りにね美味しいクレープ屋があるんだよ』




「……………食べます」




『よしきた!さぁ行こう!!』




元気付けようとしてくれたのだろう。
笑顔がやけに張り付いて見える。




そして、数分歩くとその店が見えてきた。



『____________!!!』




「どうしました?」



急に目を鋭く光らせて周りを見渡し始めた。




『…………否、何も』



そう言った後も何やら深刻そうな顔をしてる津島さんを横目にクレープを買いに向かった。




『あ、僕は苺のやつ!』




「え、私が買うんですか」



『だってボク疲れたもん』



「貴女何もしてなかったから楽だったでしょうに」




ここで言い争っていても何もならないので、
渋々、寒い財布を開いてクレープ屋へ入った。




その時やけに嫌な予感がした。




ーーー



ーー







クレープ屋から少し離れた路地裏。
あの時感じた気配が本当に彼奴の気配なら近寄りたくないけど、こんなに血生臭いので無視もできない。




『鼻がいいのはこういう時嫌なんだよね』




嫌々ながらも路地裏に入る。




そこなは三、四人の死体が転がっていた。
血が未だに流れているところを見ると、ついさっき殺されたのだろう。





見覚えのある黒服にサングラス。




『これ、マフィアの』





そこまで言って気づいた。






肝心の気配の相手がこの場にいないことに。





『っ!!』




周りを見渡しても暗いだけで特に何もない。




『…………そこにいるんだろ』





否、いる。

特に何もないわけじゃない。
あの視線が隠しきれてない。



てか、これで確定した。





「やっぱり会いにきてくれたのか。
____________________A」





名前で呼ぶところ。
短い間隔で響く足音。
暗闇から覗く帽子






『嫌でもわかるよ、マフィア五代幹部__________________中原中也』






名を呼ぶと口角を上げて、
ニヤリと笑った。











(その頃の太宰)





「あ、苺のやつ売り切れてる。どうしよ」




慌てながらも別品購入。

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NamE.薆(プロフ) - 時雨零さん» わかります!太宰さんの心情を書く時は度々お世話になってるんです! (2017年6月3日 10時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - とても楽しみにしています、この小説にとても痛い痛がりたいと言う曲が合ってるなーと思いました (2017年6月3日 7時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
NamE.薆(プロフ) - 夢さん» 外伝の方にたくさんお願いしますね (2017年6月1日 21時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続編ありがとうございます(泣) (2017年6月1日 21時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
- わわ、続編出るんですか・・・!せっ、正座待機して待ってます・・・!リクエストはどれにしようか迷いすぎて決められない・・ッ (2017年6月1日 20時) (レス) id: 49815f1b74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NamE.薆 | 作成日時:2017年5月21日 17時

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