お題１００個達成するまで出られない部屋【in.夢双黒】

★お題２９個目【ポッキー】 ページ44

【ポッキーゲームをしてください】



『また私向けだね』


「絶対仕組んでる」「見たがってる人がいるンだから仕方ねェだろ」




ポッキーは３本。
それぞれに用意されているようで机のところにある表にはしっかり組み合わせが書いていた。


太宰→広瀬
中也→太宰
広瀬→中也



「俺ら前にやっただろ」


『もう１回ってことでしょ。
あ、あとさ。前にみたいに止まらないように、矢印が付いている人が積極的に距離を詰めるようにしようよ』


この表で説明すると、と広瀬が表に触れる。
つまりは、太宰→広瀬の場合だと、
太宰が広瀬と積極的に距離を詰めなくてはならない、ということになる。
二人も、別にいい、ということで了承し、広瀬はそのまま自分の口にポッキーを放り込んだ。



『んー。はやふ』



「私から？」



太宰が逆側からポッキーを加えてサクサク食べすすめていく。やがて顔が近くなり、広瀬が目の前でにやついてくる。太宰はここで理解した。



「(私、自分からキスするの、何気に初めてだ)」



『(やっと気づいた。さぁて、最初のキスはどんなのかな？)』




広瀬が楽しみそうに笑う。太宰も心臓を高鳴らせながら食べ進める。唇が僅かに触れる。何もせずただ触れるだけのキスをする。
広瀬は黙ってそのキスを受け止めている。
舌も入れてこない。
それがとてつもなくもどかしくて、そっと舌を滑り込ませる。溶けていく緊張感に甘い菓子の味が混ざる。広瀬はただ太宰を受け止めるように合わせる。




「っん……ちゅ、ぅ……っ」


『(嗚呼、必死で。全く可愛いんだから)』



手を出したくなるのをこらえて広瀬が拳を握った。太宰がやがて息を切らして唇を離す。いつも以上に顔を真っ赤に染め上げて、恥ずかしそうに俯いている。広瀬が愛らしさからキスをすると太宰は無我夢中で舌を重ねた。



『初めてにしては良くできてたよ。
中也君よりよっぽど上手。よくできました』



「うぅ、なんか、一気に恥ずかしくなってきた」



赤い顔を手で覆っていると広瀬が中也に向けてポッキーを突き出している。太宰が慌ててはけた。
広瀬がポッキーをくわえる。
中也も逆側から噛んだ。
広瀬が少しずつ食べすすめていく。



『っ、ん………？』



ゆっくり近づいてくるのに耐えきれずか、中也の方が動いた。乱雑に食べ進め、早めに唇が触れた。


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新作書いてたらいつの間にか評価増えてた。
ありがとうございます。
頑張ります。

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