★お題24個目【看病】 ページ33
広瀬が疲れたからと自室に戻る。
双黒は満足げな顔で笑って、お題を見つめた。
【看病してください】
「は?なんだこのお題」
「誰か病気持ちだったっけ?」
広瀬がふらつきながらニヤニヤ笑って歩いてきた。
太宰の胸に飛び込んで、グリグリと頭を擦り付ける。
「えっ、えぇっ!?」
『えっへへ……はぁ、柔らかぁ。ふわふわだぁ』
顔を溶けさせた広瀬はだいぶ体が熱い。
中也がそっと額を触ると少し熱を帯びている。
お題のこともあって二人はすぐに分かった。
「広瀬さん、熱あるでしょ?」
『ねつ……ぅ?ないない』
「熱いだろうが」『あっついのは二人だよー』
甘えたがりなのか体をくっつけてきたり、
手を重ねてきたり、軽くキスしてくるなどやりたい放題だ。広瀬を大急ぎで部屋に運ぶと質素な部屋の机の上に水が入っていたであろうコップが置いてある。そこの置き紙には、飲み干してください、の文字がある。
「これ飲んで熱出したのか」
『えっへへ、美味しい水には毒があるんだよぉ?薔薇みたいにね、えっへっへ!』
服をそのままにベッドに飛ぶと酔ったように転がる。
太宰が薬と水を引っ張り出して、中也は寝間着を持ってきて手際よく着せていく。
『っえへへ、ぅ……へへぇ』
「着替えさせてやってんだから静かにしろ」
『えっへへ。いいおよめさんになるねぇ』
「嫁はお前だろ」『……はずかしー』
ふにゃあと笑ってから静かになってうつらうつらと目を瞬かせていく。
「薬飲めるか?」
薬を手にとって口に含み飲み込むと嫌そうに顔を歪ませる。広瀬が水を多めに飲みながら、うへぇ、と素の声を漏らす。
『にがい』
舌を出して涙目の広瀬を前にして何もしないという精神は存在しない。
「んむっ」
『っぅ……ふぁ、ゃ……っ、ぅ、ん』
中也が先に口付けた。
甘く溶けるようなキスを何度かした後、広瀬が驚いたように目を瞬かせる。
「こっちも」
『ぅ…ゃ………ぁ、は、ふっ……ん…』
太宰がまた間髪入れずにキスをする。
舌をつかい、残っていた粉を溶かす。苦味を溶かすように長くゆっくりとキスをおとす。
『にがく、ない……えへへ、ありがとぉ』
純粋な溶けた笑顔に二人は少し悶えた。
その二人をよそに、そよそよ寝息を立て始めた広瀬の笑顔は柔らかく嬉しそうだった。
ーーーーーー
もう1つのリクエストもやらせていただきますね。
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りこ - 汚れちまった悲しみにぃぃ!ってyoo(以下略の人間失格!!バージョンもありましたねあー面白かったです (2019年8月29日 0時) (レス) id: b092c6967d (このIDを非表示/違反報告)
たもまる - 3秒クッキング笑ったwwYouTubeのやつですよねw面白いです!! (2018年3月12日 23時) (レス) id: 8a764b3567 (このIDを非表示/違反報告)
ふぅ - コスプ(探偵社・ポートマフィア)レをしてそのキャラクターになりきって下さい (2018年3月11日 8時) (レス) id: f2cd38ed0f (このIDを非表示/違反報告)
瀬戸内ふうか - 相手を褒め称えて下さい (2018年3月11日 8時) (レス) id: f2cd38ed0f (このIDを非表示/違反報告)
源馬(プロフ) - リクエストありがとうございました!!想像してたのとほぼ同じで少し感動しました← (2018年3月7日 21時) (レス) id: 08b041d69a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:NamE.薆 | 作成日時:2018年2月9日 22時