お題１００個達成するまで出られない部屋【in.夢双黒】

・お題２０個目【涙のキス】 ページ25

【涙を流しながらキスされてください】




『…………目薬あった』



「えっと、これは………うーんと」



「キスされる側が泣けばいいのか？」




『多分』




曖昧に答える３人に札の前から何かが出てくる。
それは一枚の紙片で、こう書いてあった。




【される側が涙を流し、キスをされてください。目薬を使った場合でも達成とします。
組み合わせはこちら】



矢印の方向の表には
太宰→中也
中也→広瀬
広瀬→太宰
と書いてある。




「俺らも！？！？」



『そうみたいだね。よしよし』



「楽しんでるような顔やめてくれる」




中也がすぐさま目薬をして太宰のタイを引く。
近くなった顔に、太宰がわずかに動揺するとそのまま一瞬だけ唇を重ねた。




「っ、やっぱり塩っぱい」



「は、黙れや」



頭を振って忘れようとする中也に唇を拭く太宰。
少し怒ったようにして中也が広瀬の手を引いて壁に押しやった。



『っ……』


「んむ………っ」



中也が長くキスをする。
舌が絡む音がして、広瀬の体が跳ねた。抵抗の意は見せず、息を途中でしっかり吸いながらキスを続ける。




「ん……っ、は……A…っ」



『……っ、んんっ…ぷはっ、ぅん』




本能的な涙を流す広瀬に対してやっと唇を離して薄く笑う中也。怒り気味の太宰。



『やるなら、そう言ってよ…….はぁ、っもう』



眼の涙を拭うと中也からそっぽを向く。
赤い耳が隠せていなくて中也は楽しそうに笑った。




『最後ね』



「………泣いてやりませんから」




『……望むところ』




広瀬が太宰の唇に吸い付いた。
ただのキスを数回重ねてから舌を入れる。
絡めて、何度も、目を開けて閉じてを繰り返す。




「っん、む……っふ……ひろせ、っ、さ」




『泣かないんでしょ？』




「っひっ……ん、ふ……ぁ、は、ぁっ」




重ねても涙が流れても止まらないそれに太宰が広瀬の肩を掴んだ。押し返そうとするも弱い脇腹に手を置かれては手出しできない。




「ふぁ、ひ、ろせ……ゃ、も、やぁ」




『嫌だ？ならなんでこんなに蕩けてるの？』




「ぁ、あたま、なか……まっしろ、ひ……はぁ、っ」




広瀬はやっと太宰を離すと、倒れ伏した太宰の頭を優しく撫でた。



『ごめんね。やりすぎた』




【達成！残り８０個】



【次の御題を提示します】




それでも幸せそうな太宰の笑みを中也が指で羨ましそうにつついた。

特別編【聖ヴァレンタイン】→←★お題１９個目【似顔絵】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す