お題１００個達成するまで出られない部屋【in.夢双黒】

実行中……… ページ16

『さあて、覚悟はいい？』




太宰の方に向かって歩く広瀬。



『ちょっと、座っててね』




「と、届かないんですかぁ？」




『座ってないと腰抜かすからいってんの。
従ってくれるね？』




声も出せずに椅子に座ると中也が対抗するようにして前に出た。広瀬が睨むようにして中也を見る。
身震いしてから中也は自分の服の袖を握った。




『待てもできない子には、何もしてあげないよ』




「…………ッ」




太宰の方に目を向けて、怪しく笑む。
唇はまっすぐ太宰の耳に向かい、唇が触れるギリギリのところで、ふっと息がかかる。




「ひゃっ」




耳の中に入り込んでくる舌。
時折外側を撫で、言葉でまた甘く誘う。



『いいでしょ、此処』



「っひ、ふ……ぁ……」




反論も抵抗もできなくなるその頃にやっと囁かれた愛は耳元から脳内に溶け込むように広がった。



『愛してる。お返事は？』



「………は、ぃ」



『お利口さん』



優しく微笑みながら残されるキス。
優しいそのキスのふわふわとした安心感が太宰の中に漂った。



『……じゃあ次は』



ニヤリと笑う中也と目があう。
睨むような瞳を向けた後、後頭部を支えながら耳元で端的に愛を告げた。



『愛してる』


「っ、愛なんてねェくせに」



中也が否定すると耳の裏側を舌が通る。
背中を走り抜けるゾクゾク感に膝を震わせる中也に広瀬がきつく言った。



『座らないでよ？せいぜい踏ん張って』



「っん……ひ……ぁ」



舌が中也の耳を乱す。
水温が近くに聞こえすぐに脳に届く。ゆっくり沈むように溶けていく脳内で時折、広瀬の声がする。



『ほんと、すぐに溶けた顔になるよね。
マフィアたるもの、何事にも耐性つけろって言われてるでしょ？』



「は、ふぁ………ぁ」



中也の顔が急に歪む。
強く強く噛まれた耳からは血が流れた。
わからないように瞬く中也。



『お題完了』



中也が腰を抜かして座り込んだ。
太宰は少し戻った意識で顔を赤く染めている。




【達成！残り８７個】



【次の御題を提示します】




広瀬は満足そうに笑っていた。





ーーーーーーーーーー


シオン様からのリクエストで
「耳元で愛してると言い、耳を舐める」
でした。


中也さんに対しては、噛む、も追加しました。
耳のキスは誘惑と聞きますが、
誘惑してるのかされてるのか………。




またのリクエストお待ちしております！！

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