勘のいい呪霊の方がタチ悪い ページ5
順平とかいう彼の後ろにツギハギ――恐らく七海建人一級術師が戦闘したという特級――の呪霊が姿を見せた時、突然脳を直接揺すられるような感覚がした。
思考がおぼつかない。
吐き気を催すような気持ち悪さと、その場に蹲りたくなるほどの頭痛と。
周りの声が環境音として流れていく。平衡感覚が掴めない。
思わず膝を着いたところで悠仁の焦ったような声が聞こえてきた。
「そうだ、A、Aなら……！」
「無理だろうな。その肉塊は既にその形が正しいものとして定着している」
続いて聞こえてきた宿儺の嘲りを帯びた声に、痛む頭を抑えて辺りを一瞥した。
ツギハギ、悠仁とその頬に口を出した宿儺、その足元に転がる――恐らく吉野順平だった何か。
そして、頭を抱えて蹲っている夏油傑の幽霊。
吉野順平は別として、今この場で身体に異常を訴えているのは私と傑。
そのキッカケとなったのがあのツギハギとして。
そこの繋がりは何だ？
およそ傑からこの不調は連鎖していることは分かる。
……クソ、頭が回らん。これはやりたくなかったが――
『傑、いったんキミとの繋がりを切る。……どうにかするからしばらく耐えてくれ』
「うん、……分かった」
喋るのも辛そうな傑とのパスを切れば、先の不快感が嘘のように思考が澄み渡る。
……コレ、いつぞやの
幽霊を己に憑依させるのがイタコだが、稀に魂と肉体が合わない時に激しい頭痛や吐き気に見舞われるという話を聞いたことがある。
なぜそうなるかって言うと、元の肉体に戻ろうとするからであり。
またはその幽霊の肉体が近くにある、あるいは近くにあった人に近付いた場合は――あ。
『おい、ツギハギ。――キミ、先まで
「……何の話？
――あっ、順平もう死んだ？ ちょっと乱暴に形変えたからね。こんなもんかな」
先までケラケラ笑っていた理由は知らんが、特に動揺の色は見えないしこれは素の反応か？
仮にやつが誤魔化す意図でこの反応をしているとする。となれば幽霊じゃない方の夏油傑(仮)とこいつは協力関係にあるわけだ。
――どちらにせよ祓わん理由は無いか。
「それよりさ、俺も聞きたいことがあるんだ。
君の後ろに実態のない魂が見えるんだけどなんで？
さっきまでは君と繋がってたみたいだけど、今はそうじゃないよね。それ、何？」
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ベルゼ - すっごく面白いです！更新頑張ってください！ (9月17日 22時) (
レス) @page17 id: c0b33047a9 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - マリオットさん» ありがとうございます(*´˘`*)♡ のんびり更新になりますがこれからもよろしくお願いします〜！ (2022年10月11日 8時) (レス) id: 7dfcfb958e (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - あっ！この話好きです！！体調に気をつけて更新頑張ってくださいね！ (2022年10月10日 14時) (レス) @page8 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - にゃーちゃんさん» 応援ありがとうございます！気まぐれのんびり更新にはなりますが今後ともよろしくお願いします(*´˘`*)♡ (2022年9月18日 21時) (レス) id: 7dfcfb958e (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - とても面白かったです！更新頑張ってください、楽しみにしてます！ (2022年9月18日 17時) (レス) id: 25d0243371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月野 | 作成日時：2022年9月16日 11時
