《獄都事変》巻き込まれるのはいつもの事2 (ページ8)

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二話後編ページ8

貴「それで…今回は一体何の用件で…？」

気になる点はあるが、取り敢えず何用で現れたのかを聞こうと尋ねれば、きょろきょろしていた斬島さんの視線が此方を向いた

斬島「あぁ…実はお前の、」

田噛「校舎の一件以来身の回りで何か問題が起きていないか、上司に確認して来いって言われたんだよ。」

斬島さんが何かを言う前に、気だるげにしていた田噛さんがその橙色の目を向けてそう口を挟んだ…記憶の件についてかな？

貴「問題…とは」

田噛「…あの校舎に居た亡者の影響で他の奴らもあそこに集まって来てたんだよ…そんな所で生者が長い事うろついてたんだ。変なもんがくっ付いて来ててもおかしくねぇ…」

なるほど、斬島さんが言いかけたことは気になるがその後の生活に異変は無いかと…

貴「そうですねぇ……あぁ、この部屋…その一件が終わってからよく物が消えるようになりましたね。」

そう言うと、田噛さんは元々の気だるげな表情にめんどくさそうな色を滲ませる

逆に斬島さんは瞬きしてないんじゃないかと思うくらい真剣な顔で話を聞いていた

貴「まぁ物が消えるのは困りますが、しばらくすると戻ってきますし特に害が無いのでいいかなと思ってます。」

斬島「…害が無いと言っても長く放置しておくのは良くないだろう。何かあれば話してくれ。」

貴「ありがとうございます。」

あぁ凄い斬島さん真面目だ…私の知り合いのなかで見たことあるような顔してるけど

斬島「……取り敢えず今のところはそれだけで害があるとかじゃないんだな？」

貴「はい」

そうか

と、気だるげな顔のまま返事をした田噛さんは立ち上がる

田噛「…、また様子を見に誰か来るかもしれねぇが…何かあればそいつらに話せ。邪魔したな。」

玄関に向かって歩き始めた田噛さんに、斬島さんも立ち上がると頭を下げてから玄関に向かった

再び会った斬島さんの株は私の中で上がっていっている

見送った方が本来は良いのかもしれないが、まぁいいか

そう考えながら、私は床から腰を上げた

出て行った玄関を見つめた後、テレビをつけた

斬島「田噛、何故あそこで俺の言葉を遮った。」

田噛「警戒されねぇためだ。行き成りお前の記憶を消しに来た何て言ったら生者は得体の知れねぇ事されようとしてんだ…抵抗するだろ…」

あと、会ってみた感じあの様子じゃ危害を加える素振りを見せなきゃ誰送っても大丈夫だろ

あー…だりぃ

そう呟いた田噛に、なるほどと素直に頷いた斬島がいた