一話 前編 ページ4
すっかり辺りが暗くなった頃
獄卒たちは屋敷の中にある食堂へと集まっていた
平腹「田噛があいつ見つけたって!」
田噛「それらしい人物だっつってんだろ…俺は顔を知ってるわけじゃねぇからな…」
集まった獄卒にそう言った平腹に
「話を聞いていたのか」と言う空気を醸し出した田噛は舌打ちをしそうな勢いで訂正を入れた
斬島「やはり田噛を積極的に出したのは正解だったようだな。」
木舌「おれ達全員顔が知られてるもんねぇ…」
平腹「それに佐疫は銃ぶっ放して谷裂は亡者と間違えて追い掛け回したんだろ?二人はもう完全にアウトだよな!!」
佐疫「僕は顔が知られている時点で皆等しくアウトだと思うよ。」
食堂の椅子に座りそれぞれが話す中で、黙って聞いていた斬島が口を開いた
斬島「それで、件の生者の顔を知らない田噛は目星を付けただけなんだろう?」
田噛「あぁ、こいつは何か隠してやがるなっつーのを一人見つけただけだからな…お前らの内一人暇なやつを連れて、面倒だが明日もう一度その近辺を探る。ついでに接触も一応だが図ってみるつもりだ。」
木舌「それで、誰か連れて確認するってわけかー」
のんびりとした口調で言った木舌に、皆は一度口を閉ざす
佐疫「田噛はまだこの中で逃げられずに一番近づける可能性があるし、連れてくなら出来るだけ刺激を与えない人の方がいいよね。」
木舌「だねぇ…顔が知られてない田噛でも、隣に谷裂とかが居たら見付けたときに逃げちゃうだろうし…」
佐疫の言葉に目を細目ながら木舌が続けて言った
平腹「でもよー、そしたら佐疫と谷裂は外れるだろ?斬島かー木舌かーオレになるんじゃね?」
田噛「そうなるだろうな。」
木舌「…おれ殴られてるんだよねー、あと片目無い所とか見られてるし…おれも相手にとってはかなり記憶に残ってると思うよ?」
平腹「じゃあ木舌もなしだな!」
そう言った平腹は、田噛の方を向くと口を開いた
平腹「なぁ田噛!オレ行っちゃだめか?」
田噛「…何で来たがるんだよ。」
平腹「久しぶりに現世行きたいし、それにあいつ面白れぇじゃん!何しでかすかわからない所とかさ!」
にんまりと笑った平腹は、そのまま目を細めると呟くように言った
平腹「…あいつと仕事してみてーなー…早く死んでこっち来てくんねぇかな…」
その時、成り行きを見ていた谷裂がゆっくりと口を開いた
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四季 - 更新頑張ってください!! 待ってます! (2016年3月28日 9時) (レス) id: bf716977a5 (このIDを非表示/違反報告)
真(プロフ) - 面白い。続きが気になります (2015年12月24日 15時) (レス) id: 12f63a3500 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天月 奏 | 作成日時:2015年12月6日 22時