三話 中間2 ページ11
目の前にやって来た平腹は、私の言葉を気にせず掲げていたキャベツを降ろすと私に渡した
平腹「キャベツほい!」
貴「ありがとうございます。」
微妙な心境のまま、キャベツを受け取った私はずしりと重いキャベツに平腹を見上げた
貴「…随分重いものを…よく見つけたね。」
平腹「全部比べて来たからな!」
何しているんだこいつは
キャベツ置き場で厳選している様を容易に想像できた私は吹き出しそうになる
まぁ、なるべく重いものをって言ったのは此方だしな…
取り敢えず手にしたキャベツを籠に入れようと、振り返った私は動きを止める
貴「おい籠どこ行った。」
辺りを見渡す深夜の視界には木舌が全く映らない
平腹「んー…酒のある場所じゃねー?」
貴「酒?」
平腹「そ!木舌かき氷に酒かけて食べるくらい酒好きだからなー」
貴「ただのアル中予備軍じゃねぇか。」
平腹の言葉に、そう言った私は和風ドレッシングを棚から引っ掴むとキャベツと一緒に持って移動し始めた
酒、…あっ、茨城達のところかもしれない
面倒くさいことになっていなことを心で祈りながら、酒を売っている
平腹と一緒に歩き、缶ビールや一升瓶の酒が多く置かれたコーナーに行くと、そこには口元に笑みを浮かべ上機嫌な木舌が籠を腕にひっかけたまま並べられた酒を見ていた
その隣には茨城が営業スマイルでお酒の説明をしていた
普段の顔を見ているからか違和感を感じてしまうのは仕方がない
呆れた顔で木舌に近づく
声をかける前に気づいたらしく木舌が私達の方を向いた
平腹「な!いただろ木舌!」
貴「勝手にいなくならないでくださいな、籠。」
木舌「俺は籠じゃないよ。」
籠の中のものを寄せてからキャベツを下に置いてからドレッシングもつっこんだ
茨城「なんや、あんさん深夜の知り合いだったんか?
そこの男の子…弟と買い物に来てはったんやな。」
きょとんとした顔をする平腹を他所に、木舌は笑顔の茨城に答える
木舌「そうだよ。」
茨城「へぇ…見た感じあんさんが一番上やな。末はそこの男の子かいな。」
木舌「そうだよ、よくわかったねー。」
答えた木舌に茨城はやっぱり!と笑顔のまま答えた
だが、すぐ後で深夜の方に向く
茨城「ところで、深夜は養命酒買いに来たん?」
貴「今日は普通の買い物だから。」
茨城「ホンマかいな、あー…後で手伝いしてくれへん?」
貴「…わかった。時間は厳守だからな。」
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四季 - 更新頑張ってください!! 待ってます! (2016年3月28日 9時) (レス) id: bf716977a5 (このIDを非表示/違反報告)
真(プロフ) - 面白い。続きが気になります (2015年12月24日 15時) (レス) id: 12f63a3500 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天月 奏 | 作成日時:2015年12月6日 22時