《獄都事変》巻き込まれるのはいつもの事2 (ページ2)

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序章ページ2

ある一件の怪異事件から数日…
酒売り場の裏の方で、頼まれた荷物を置いた深夜。

貴「よいしょっと…おーい、茨城ぃ？」

重い荷物を置いて一息ついた後、その頼み事をした本人の名前を呼んだ。

茨城「はいはーい、どないしたん？」

奥の方から出てきたメガネをかけている茨城と呼ばれた男。
目をつむっているのだがメガネの意味はあるのだろうか？

考えていたものを頭から除外した後、私は荷物を指差す

貴「最後の荷物はここでいいよね。」

茨城「ホンマおおきに。手伝ってくれて嬉しゅう思っとるで。…もうこんな時間か…こんな時間まで付き合うてくれておおきに。」

時計を見た後にそう言った茨城に笑いかけると
奥の方からもう一人の男が出てきた

貴「あ、酒呑。そろそろ家に帰るから。」

酒呑と呼ばれた男は、時計を見た後に隣にあった棚の中から飴を取り出す。
それを私に差し出した。

酒呑「お礼にもらってくれ。」

貴「わーい、飴だー、嬉しーな。」

茨城「ものっそい棒読みになっとるで。」

茨城言わないでくれ。せっかく本心隠してたのに。
酒呑君が困っているじゃないか。

貴「冗談はさておき、飴ありがと。おっ、レモンじゃん。やったね。じゃあまた用があったら呼んでくれ。」

バイバイと手を振って出て行く深夜を見た茨城と酒呑は互いの顔を見た後首をかしげ、笑った。

酒呑「久しぶりに会ったが…元気そうで何よりだな。…深夜は…」

深夜が出て行ったところを見ながらそういった酒呑。
茨城はくっくっと笑い、酒呑を見る。
まぁ、目は開いていないのだが。

茨城「ほんま元気で何よりや、ただ…俺ら以外鬼の気配がするのは気にくわんけどな。」

最近感じる鬼の気配。
地獄のものが亡者を追いかけているのかと思いきや、彷徨い方からして誰かを探しているみたいだった。

…深夜、また巻き込まれなければいいのだけれど…

茨城は、店の奥と歩いて行った。