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「 六月二十一日生まれの、双子座 」
「 え？ 」
「 身長は百五十三センチ。好きな食べ物は肉全般。恥ずかしいけどピーマンが苦手 」
ペラペラと話し出す私に、レオくんは困惑した表情。
繋がった手はそのまま、炬燵の中で熱を持ち続けている。
「 あと、一応ピアノも弾けるんだよ。二階にグランドピアノあるの、気づいた？ 」
「 知らなかった 」
「 小学生の頃はコンクールとかよく出てたの。ある日を境にやめちゃったけどね 」
「 どうしてやめたんだ？ 」
ただでさえ熱い手に、もう片方の手も添えられて、優しく握られる。
ドキッとして隣を見ると、ゆらゆらと不安そうな瞳が揺れていて、どうしてそんな顔をしているのか私には分からなかった。
「 ごめん。聞いていいか分からなかったけど、スワのこと、もっと知りたいって思ったから 」
「 …ちらっと話したかもしれないけど、両親が事故で亡くなったの 」
「 そういえば、聞いたな。あの時はおれに余裕がなくて、詳しくはきかなかったけど 」
小学五年生の時に、私は突然ひとりぼっちになった。
司の家に引き取られてからは、中学生活を抜け殻のように過ごし、周りにかなり心配をかけていた。
引きこもりがちな私に何度も話しかけて、外へ誘って、好きだった音楽を聴かせてくれて、司には沢山迷惑をかけた記憶がある。
司のせいじゃない、そう言っているのに、あの子はいつまでも罪悪感に蝕まれている。
「 それからは幼なじみの家に引き取られてね。中学を卒業してから一人暮らしを始めたの 」
「 この家、幼なじみがくれたって言ってたな 」
「 うん。ちょっと過保護だなって思ったけど、私のことを心配してくれてるのは伝わってるから 」
ぽすん。肩に感じる重みに横を見やると、レオくんが幸せそうに笑ってもたれかかっている。
どうして笑っているのかと聞くと、私のことを知れて嬉しいと返ってきて、胸の奥がじんわりと温かくなっていく。
「 …ごめん、おれから言い出したことなのに 」
「 ん？ 何が？ 」
「 おれもスワにおれのこと知ってもらいたいけど、あの時のことを思い出すと、震えが止まらないんだ 」
僅かに震えるその身体を、そっと引き寄せて、黄昏色を胸に押し付けた。
彼の心の傷はまだ癒えていない。
なら私は、それに触れることはせず、こうして傍にいてあげるだけでいい。
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ここち(プロフ) - momoさん» momoさんコメントありがとうございます！ 自己満小説になっていないかと思っていたので、そういった意見をいただけて本当に嬉しいです。とても励みになります。これからもよろしくお願いします。 (2021年10月3日 14時) (
レス) id: c2fb8c431e (このIDを非表示/違反報告)
momo - めっっっちゃ好みです。。。Knights大好きだし話の展開っていうかもう色々ドストライクすぎてイッキ読みしてしまった、、あと泉くんイケメンすぎて惚れました…続き凄く楽しみです！更新頑張って下さい！！ (2021年10月3日 1時) (レス) id: d97a5a4175 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリ | 作成日時：2021年9月23日 4時
