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早いものでもうすぐ春休みだ。
約二週間程度のそれは、また部活動とアルバイトで浪費されていくことだろう。
「 あっ！ 」
消したはずの電気がついている。
レオくんが来ているんだ、と駆け足で自宅に入り、リビングの扉を開けると、暖かくなってきたというのに炬燵でゴロゴロするレオくんの姿があった。
いつもならこの時期には炬燵はしまうのだけど、レオくんがいるから出しっぱなしにしている。
「 おかえり、スワ！ 」
「 ただいまレオくん。ご飯食べてく？ 」
「 うん！ 」
荷物を片付けてから部屋着に着替え、リビングに戻ると、机の上には五線譜が広げられていた。
…けど、白紙だ。
「 レオくん、作曲でもしてるの？ 」
泉くんから話は聞いたから知っているのに、そんな質問を投げかけた。
「 おれが所属してるユニットの曲は、おれが作ってるんだ 」
「 すごいね。楽譜は読めるけど、さすがに作曲なんて出来ないや 」
「 今は、ちょっと出来ないんだけどな 」
「 そうなの？ 調子でも悪い？ 」
レオくんの肩が跳ね、「 スワ…？ 」と不安そうにこちらを見上げてきた。
隣に座って炬燵の中に入ると、グリグリと額を肩に押し付けられる。
「 どうしたんだ？ スワはいつも、そんなに深くきいてこない。今日のスワは変だ、何かあったか？ 」
「 えっ、何も無いよ 」
「 どこかでおれの話でも聞いた？ 」
「 聞いてないよ 」
さすがに質問しすぎたみたい。
けれど、勝手に泉くんから話を聞いてしまったことを知られたら、彼に嫌われてしまうかもしれない。
それが怖くて、私は初めてレオくんに嘘をついた。
「 おれがあの大雨の日なんで一人でいたのかも。おれのユニットのことも、学校のことも。スワは何もきかないよな 」
「 …きいてほしいわけじゃないでしょ？ 」
「 まぁ、そうなんだけどな。スワなら話してもいいと思ってるよ、おれは 」
炬燵の中だというのに、やけに冷たい手が、そっと私の手に触れた。
手の甲の上から被さった男の子の手が、指と指の隙間に入り込み、きゅっと優しく握られる。
「 なのに、おれの弱い部分を見せるのが怖くて、話せないんだ 」
「 レオくん 」
「 …今 思えば、おれもスワのこと、大して何も知らないのかもしれないな 」
それもそのはず。
私は、自分のことを彼に何も話していない。
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ここち(プロフ) - momoさん» momoさんコメントありがとうございます！ 自己満小説になっていないかと思っていたので、そういった意見をいただけて本当に嬉しいです。とても励みになります。これからもよろしくお願いします。 (2021年10月3日 14時) (
レス) id: c2fb8c431e (このIDを非表示/違反報告)
momo - めっっっちゃ好みです。。。Knights大好きだし話の展開っていうかもう色々ドストライクすぎてイッキ読みしてしまった、、あと泉くんイケメンすぎて惚れました…続き凄く楽しみです！更新頑張って下さい！！ (2021年10月3日 1時) (レス) id: d97a5a4175 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリ | 作成日時：2021年9月23日 4時
