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- Izumi Sena -





思わず立ち上がりかけたけど、あの子が寝ていたところで俺たちが迷惑するわけでもないしいいか、と浮いた腰をソファにボスンと下ろした。





「 ふふ、女の子の寝顔って可愛いわよね 」

「 あーはいはい 」





なるくんは頬杖をついて、本当に可愛くて仕方がないという風にあの子を見つめている。

流石にお会計の時は起きていてもらわないと困るし、声だけでもかけようかと悩んでいると、裏からひょこっとお爺さんが顔を覗かせた。





「 おや、この時間にお客さんとは・・・ 」





お爺さんはカウンターから前に出てきて俺たちの前に来ると、曲がった腰を更に折り曲げて、「 来てくれてありがとう 」としわくちゃの顔で微笑んだ。

何処か懐かしい香りに、俺は反射的に立ち上がり、同じように頭を下げる。





「 すみませんね、Aちゃんはいつも真面目な仕事人なんですが…。最近は部活帰りが多くて、疲れているみたいです 」

「 あら、学生さんなのね。大変だわァ 」

「 君たちと同じ制服を着ていましたよ、確か 」





てことは夢ノ咲学院の生徒?

演劇科、声楽科、音楽科、普通科・・・どこに所属しているかは分からないけれど、折角いい休憩場所を見つけたのに、俺たちがここに来たことを話されると困る。

口止め、いや、もうここには来ない方がいいか。
きっとポロリと話してしまうに決まっている。





「 れお、くん 」

「 えっ 」





多分くまくんもなるくんも、あの子の寝言を聞いていたと思うけれど、その名前に反応したのは俺だけだった。

『 王さま 』じゃない、その名前に。





「 ごめん、お爺さん。あの子と少し話したいんだけど、いいですか? 」

「 構いませんよ、ちょっと待っててね 」





お爺さんはヨタヨタと歩いて、いつの間にかカウンターに突っ伏して器用に立って寝ているその子に声をかけた。

ゆっくりと顔を上げたその子は、数秒してから今の状況を理解したのか、顔を真っ青にして「 すみませんっ!! 」と何度もお爺さんに頭を下げる。





「 疲れが溜まってたんだね、大丈夫だよ。それよりAちゃん、お客様がお話したいんだって 」

「 えっ? 」





あの子の視線がこちらに向いたから、俺は咄嗟に視線を逸らして、残り少ないナポリタンを口に運んだ。

…別に気があるから話したいわけじゃないからねぇ。





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ここち(プロフ) - momoさん» momoさんコメントありがとうございます! 自己満小説になっていないかと思っていたので、そういった意見をいただけて本当に嬉しいです。とても励みになります。これからもよろしくお願いします。 (2021年10月3日 14時) (レス) id: c2fb8c431e (このIDを非表示/違反報告)
momo - めっっっちゃ好みです。。。Knights大好きだし話の展開っていうかもう色々ドストライクすぎてイッキ読みしてしまった、、あと泉くんイケメンすぎて惚れました…続き凄く楽しみです!更新頑張って下さい!! (2021年10月3日 1時) (レス) id: d97a5a4175 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリ | 作成日時:2021年9月23日 4時

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