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「 アイドル? 司が? 」

「 はい。実は先程、神話や童話に現れるような、麗しい騎士を目の当たりにしました 」

「 騎士・・・? 」





手を繋ぎながら、暗い道を歩く。

お母さんとお父さんが生きていた頃は、司の手を引くのは私の役目だったのに、いつの間にか立場が逆転している。





「 何もかもがバラバラな歌声でしたが、私は彼らから目が離せませんでした。私も、あの輝きに交ざりたい 」

「 ふぅん。司がアイドルか。結構、見てみたいかも。騎士って、司のイメージにぴったりだよ 」

「 本当ですか? Aにそう言って貰えると、簡単に決心出来てしまいそうです 」





見てみたい、とは思うけれど「 良い跡継ぎ 」だと周りから評価されている彼のその夢を、周りは許すのだろうか。

私は応援してあげたいけれど、たかが気持ち程度では何も変えてあげられない。





「 司ならなれる。私に出来ることがあったらなんでもする。っていっても、私はただの一般人だから、何もしてあげられないか 」

「 あなたという存在が大切なんです 」





また、頭をよぎる声。





『 おれは、スワがいてくれて良かったって思ってる 』





ただそこにあるだけの存在が、誰かの背中を押してあげられるだなんて、そんなことがあるのだろうか。





「 決めました、私はIdolになります。夢ノ咲学院に入学して、騎士となり、あなたにPerformanceを披露してみせます 」

「 それは楽しみね。アイドルの司かぁ、ファンサービス満載ですぐ人気になっちゃいそうだね 」

「 もちろんです! 騎士とはそうあるべきです 」





それからは久しぶりに会ったこともあり、子供の頃の話や、彼がアイドルになってからの話をたくさんした。

気がついたら自宅に着いていて、送り届けてくれた司は帰るために私に背を向ける。





「 待って司! こんな時間に一人で帰るのは危ない! お迎えはないの? 」

「 もうすぐ来ると思いますよ。あなたと一緒にいたくて、待つように言ってあったんです 」





彼の言葉通り、すぐに道の先から真っ黒の高級車が現れて、家の前にとまる。

下りてきた使用人が私に一礼し、そして車の扉を開けた。





「 A、約束しましょう。いつか私の力で、あなたの世界を輝かせてみせると 」





やがて、車は走り去っていく。



彼はまだ気にしているのだろうか。
両親が事故で亡くなり、輝きを失った私の世界を。





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ここち(プロフ) - momoさん» momoさんコメントありがとうございます! 自己満小説になっていないかと思っていたので、そういった意見をいただけて本当に嬉しいです。とても励みになります。これからもよろしくお願いします。 (2021年10月3日 14時) (レス) id: c2fb8c431e (このIDを非表示/違反報告)
momo - めっっっちゃ好みです。。。Knights大好きだし話の展開っていうかもう色々ドストライクすぎてイッキ読みしてしまった、、あと泉くんイケメンすぎて惚れました…続き凄く楽しみです!更新頑張って下さい!! (2021年10月3日 1時) (レス) id: d97a5a4175 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリ | 作成日時:2021年9月23日 4時

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