戦闘民族の彼女は。 【キングダム】

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その後、漂は信に何かを耳打ちし、やがてその体は地面にぶつかった。





……漂が動かなくなり、信は暴れた





「何でだよ！！」


ドアを壊す






「っ……何でだよ！！！」


壁が崩れる






「よっよせ信！！」




里典の旦那の言葉も聞かず、暴れる信






「皆殺しだっ！！よくも漂を
ただじゃ殺さねぇぞ！！漂の敵(かたき)っ」





それからずっと、地面を殴って
「皆殺しだ」と叫び続けた





…一方私は、ずっと動けないまま。








……すると、里典の子である有が私の手元に落ちている地図を拾い上げた。







「漂の死を無駄にするな！！」




そう叫び、信の頬を殴った。







『…有…』




「何だとチビガキ…」



「ひ…う…オイラ信のこと嫌いだったけど
漂の事は大好きだったんだ

だっ、だからオイラも漂の仇を討ってやりたい
漂をこんな目に合わせた奴を切り刻んでやりたい！！

だけど二人は行かなきゃ」





その言葉の私はハッとした。

自分より何年も年の若い子に、まさかそんな事を言われるなんて思いもしなかった。





「何が起こっているのかオイラには分からないけど、きっと二人はここに…

漂の死を無駄にしないために！
二人はここに行かなきゃいけないんだ！！」





“ いいな二人共！！託したぞ！！ ”





『……ごめんね漂…』





私はもう冷たくなった漂の体を抱きしめ、涙を拭って立ち上がった





「それよりお前たち、何なのだこれは…
王都にいるはずの漂がなぜここで死んでいる！？

なぜ黒卑村の地図をお前に渡したっ！？
それにっ…王弟の反乱とは一体何のことだ！？」





喚いている里典をスルーし、信も私と同じように漂の体を抱きしめる





「信、A！！儂の問いに答っ…」



「こっちが聞きてぇよ！！
だけど関係ねぇ。
何が起こっていようが…そこがチンピラ共の巣窟だろうが関係ねぇ、漂は行けっつった。



そしてお前を……」





そう言って私を見つめる信。
私を…なに？

私も見つめ返すが、そらされた。





「……漂は俺達にそう言った。だから行くだけだ！！！」




地図を持ち走り出す信
私ももう一度漂の体を抱きしめ、信の後を追う。






そしてしばらく走った時の事



『…！信、気をつけて、誰かいる』


遠くには三人の人影＋後ろに小さな影。






「お！ハハハ、本当に来たぜ」


「こんな時間に、こんな所に来るたァ
脳みそねぇなこのガキ共」




『…は？』

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