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「おい」
突然の声に振り返ると
そこには眉間にシワを寄せた蘭と竜胆が立っていた。
「灰谷…ついにお前ら来てく」
「触んな」
えぇ。
こんなに感動してる先生見るの初めてなのに
この兄弟普通に辛辣じゃん。
「……、」
私の肩を掴む先生の手をナチュラルに振り払って、そのまま私の手を引っ張っていく蘭。
『解放されたありがとう』
「ん」
まだ眉間にシワが寄ってるけど
私の手を掴む力は優しい。
『前から思ってたけど』
「ん?」
『2人ってさ、なんか優しいよね』
「…はぁ?」
意味がわからないって顔すんな。認めろ。
「どこが」
『こういうとこ』
掴まれている手を指さすと「意味わかんね」と
そっぽ向かれる。
「んな事言うのお前くらいしかいねーよ」
蘭と同じような表情でそう言った竜胆。
へぇ、私しか言ったことがないのか。
なんかちょっと優越感。
「ニヤニヤすんな」
『うっす』
…なんで優越感に浸ってんだろ。
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2階の階段で別れた私たち。
3年の教室は4階だよーって教えたら2人とも顔が死んでた。
……結局最後まで注目を浴びてたし、
なんなら今も視線がすごい。
「ねぇ、花谷さん!」
『??』
「今のってもしかして灰谷先輩…?」
頬を赤らめてそう尋ねてくる女の子。
その言葉に対して頷くと周りにいた女子たちも含め「キャー!」と黄色い歓声を上げて走り去って行った。
…なんだ?もしやあの2人のファンか??
通学初日からこれかよ、
やっぱモテる男は違うんだな…。
「おはよー」
『あ、おはよー』
「顔死んでるよ」
私と仲良くしてくれている友達の留美子。
兄弟が授業中突入してきた日、トイレに逃げ込んだ私に「2人帰ってったよ」って教えてくれた子。
「あんたやっぱ灰谷兄弟に目つけられてんのね」
『言い方だろ』
なんかボコされそうだな。
「ほんと気をつけてよ、
あの2人とあんたは全然違う世界に居るんだから
あんたに何かあっても私じゃ助けられない」
そう言って心配してくれる留美子にジーンと胸が熱くなる。
『留美子ぉぉお……私今日、アイツと別れるぅぅぅ』
「……ええ!!?」
少しの沈黙の後、留美子の大声が教室に響き渡った。
ちょっと耳が痛かった。
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おもち(プロフ) - yuiさん» コメントありがとうございますっっっ!!!そのオチwwwwこれからもきっとそのオチは続きます!!!www更新頑張りますねぇぇぇ!!!!!ヽ(;▽;)ノ (2021年9月18日 15時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - むーこさん» コメントありがとうございます!!!!一目惚れだなんてえええええ嬉しいいいいいい゚(゚´Д`゚)゚。更新頑張りまくります!!!!!笑 (2021年9月18日 15時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
yui - コメント失礼します!!蘭の「マジで食う__」とか「襲__」とかを竜胆が「兄貴」って言って止めるオチがほんとに好きです!!wこのオチこれからもしてほしいです…!願望で申し訳ございません…これからも頑張ってください!! (2021年9月18日 14時) (レス) id: d14d967942 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ(プロフ) - 初めまして、こんにちは!一目惚れしました!!とっても最高です、胸がドキドキです!続きが楽しみです(*^^*)ご無理をされない程度で頑張って下さい! (2021年9月18日 13時) (レス) id: b9e619f014 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 娃莉紗さん» ほ、ほんとですかァァァァ……嬉しいです……!!ヽ(;▽;)ノもうめちゃくちゃ頑張りますっっ!!!!笑ありがとうございます!!!! (2021年9月18日 11時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2021年9月5日 17時