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「…ねぇ、妓夫太郎」
「…はい」
隣を歩く童磨に目を向けた妓夫太郎。
ただ歩いているだけなのに、女子たちの甲高い声が耳に劈く。
やはり彼と共に歩くのは控えたいと心から思った。
「Aちゃんもさ…
俺や妓夫太郎達のことを知っているってことは前世は鬼だったんだろう?」
そう言って振り向いた童磨の眼差しが
心做しか切なそうにも見える。
「……アイツは……
あんたにとって大事な人物だった」
妓夫太郎は真っ直ぐ前を向きながらそう言った。
すると目を見開いた童磨。
「…Aとあんたは前世、組んでたんだぜ
とても仲が良かったなあぁ…
2人は気が付いていなかったが、まるで俺と梅のような、そんな…」
“深い絆で結ばれていた”
その言葉を飲み込んだ妓夫太郎は童磨を見つめる。
目と目が合った時、次は妓夫太郎が驚いた。
いつもヘラヘラと屈託の無い笑みを浮かべているはずの童磨が、今はとても悲しそうに顔を歪めている。
「……そっか。」
それを誤魔化すように無理に笑みを浮かべた童磨はまた真っ直ぐ前を向く。
「……でも、何も思い出せないや。
面影も何も無い。
また会いたいなぁ、…Aちゃん。」
どこか切なく、だけど少し楽しそうに
童磨は笑顔を浮かべてそう言った。
妓夫太郎は童磨のAに対する “ちゃん” 付けに違和感を覚え口を開こうとしたが、いつもの笑顔に戻った童磨を見て再び口を閉じた。
「…早く記憶が戻ればいいなあぁ……A」
代わりに、そう小さく呟いた。
「ん?何?何か言った?」
「……いや」
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ふづき(プロフ) - 久しぶりにタイトル名で検索して一気見したのですが、更新されていてとても嬉しかったです。大好きな作品なので応援しています😭 (2月17日 1時) (レス) id: 29ecdacbc9 (このIDを非表示/違反報告)
花怜?ゃ?(プロフ) - 一気読みしてきました!もう心臓バクバクで午前2時ですが寝れません!!大好きです!! (10月16日 1時) (レス) @page20 id: 9817e1bb68 (このIDを非表示/違反報告)
Rigel(プロフ) - コメント失礼します(*´-`)めっちゃ面白いです!!続きが気になります!!体調にはお気を付けて、更新頑張って下さい(*´꒳`*) (2022年3月23日 21時) (レス) @page20 id: 7f1f562d52 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - 初コメ失礼します!ずっと更新楽しみにしてました(;_;)またおもちさんの書く童磨が見れると思うとすごくテンション上がります!!これからも更新頑張ってください!楽しみにしています! (2021年9月27日 23時) (レス) id: f7ce79b087 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - あみさん» こちらこそ嬉しいです……ありがとうございますヽ(;▽;)ノ更新頑張ります!ありがとうございます…!!(゚´Д`゚)゚。 (2021年9月13日 21時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2020年1月16日 22時