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……と、その時、
パサリ、と私の髪が肩にかかった。
『……え、?』
簪が取れたのか?
焦って髪を触るも、簪がない。
地面に落ちたのかとも思い、屋根の上から下を覗き込むもどこにも見当たらない。
『え、なんで、……』
「探してんのはこれかァ?」
その声を聞き、ハッとした私は男に目を移す。
「へぇ、いい簪じゃねぇか」
『……!』
その男の手には、私の簪が。
『返せ!!!!』
思い切り地を蹴り、男との距離を縮めたが
後ろにいた柱がそれを邪魔する。
「水の呼吸
肆の型、」
……あの時の、水柱。
『……邪魔だ!!!』
攻撃を仕掛けてきた水柱を蹴り、攻撃を回避して
目の前の簪を持つ男へ。
「そんなにこれが大事なのかァ?」
そう言って、ニヤニヤと楽しそうに笑いながら手に力を込める男。
なんて意地の悪い。
それは私の大事な、
命と同じくらい大事な……
その簪目掛けて手を伸ばした時、
戻ってきた水柱によりその腕は切り落とされ、
凶悪面の柱の手の中で
簪が砕け散った。
それを見た瞬間、
目の前が真っ赤に染まった。
『死ね』
一気に再生した手を男の心臓目掛けて伸ばす。
が、男はそれを間一髪避けた。
その隙に割れた簪の欠片を拾う。
あぁ、こんなにバラバラに………、
もう元には戻らない
「お前ッ、十二鬼月でもねぇのになんつー早さで再生しやがる……ッ!」
今はそんなのどうでもいい
早く、
『……血鬼術、
水鞠の戯れ_』
多くの水の玉が目の前の男目掛けて降り注ぐ。
私の後ろに回り込んできた水柱には拳を腹にめり込ませた。
肋骨2本程折れたんじゃないかな?
『……、壊れたら、元には戻らないんだよ?』
砂煙の起こる場所までゆっくり歩いて近づいていくと、男の笑い声が聞こえてきた。
「くくく……ッ
風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ」
その瞬間、地を抉りながら私に突進してきた男。
風の柱か、こいつ。
にしても強い力だ。
対する私は水の膜を作り出し、その攻撃を防ぐ。
と言っても防ぎきれるわけもなく再び腕が飛んだ。
『……血鬼術
水神の憤激』
「不死川!!」
竜巻のような水の塊が一気に相手を襲う。
この建物はもうぐちゃぐちゃだけど、どうでもいい。
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おもち(プロフ) - るみさん» おおお……!!!コメントありがとうございます……ッッ!!!こちらこそ感謝です……っ゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年1月4日 15時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
るみ - 今ここまで読んで見ましたが……私の想像以上に最高の作品でした!!書いてくれた作者さんありがとうございます!! (2020年1月4日 13時) (レス) id: b36153d67a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - クラゲさん» ヒビが……(´・ω・`) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - うささん» そそそそそんなに!!!?滅相もない!!!(;▽;)嬉しいですぅぅぅぅぅありがとうございますぅぅう!!!!゚(゚´Д`゚)゚。 (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - paopaoman217さん» え!?ありがとうございますっっ!!!!ヽ(;▽;)ノ更新待っててくださいね〜!!(≧▽≦) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2019年11月17日 23時