【鬼滅の刃】彼をどうしても振り向かせたい 弐【童磨】

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まだ形を保っている男。


『……、』




そんな男に近づいていく。





「水の呼吸
参ノ型 流流舞い」



『ッ……』




すごい速さだ。
危うく胴体が真っ二つになる所だった。





「……ちっ、……こんな奴が居たなんてなァ！！」



色々な箇所から血が出てるのに、それでも風柱は立ち上がる。




『……血鬼じゅ……』



そんな男に私も技をお見舞いしてやろうと、
手を伸ばした時だった。




鳴女ちゃんの琵琶が響き、
景色が瞬く間に変わった。







『…………あれ？』




そしてそこは無限城。





……何故？？






「A、どうした
そんなに取り乱すとはらしくないな」



『……！』






その声は、……



頭で理解する前に、地に顔を伏せる。
無惨様だ。





「顔を上げろ」


『……はい、』





顔をあげれば、無惨様が微笑んで私を見つめている。




「泣くな」


『……っ』




珍しく優しい声の無惨様。
明日は雪かな？(失礼)


先程のことを思い出し、思わず泣きそうになる。
私の手に握られたバラバラの簪。




「……お前をここに呼んだ理由……
お前、童磨が好きか？」



『…………へ？』






突然聞かれた謎の質問。
あれ？無惨様ってこういう事言っちゃうお方だったっけ？





「いいから答えろ」


『めちゃくちゃ好きです』




私の即答ぶりにかなり引いている様子。





「……あいつを今からここに呼ぶ。
そこでだ。

ある事を思いついた」






あれ？無惨様ってこんなに無邪気に笑うお方だったっけ？




「いいから黙って聞け」


『承知』




でも威圧感は同じだ。
大丈夫、目の前にいるこのお方は無惨様だ。







「お前は今から死ぬ」



『はい！………………え？』






無惨様の言葉に思いっきり頷いてしまったけど、え？
死ぬの？




「……あいつを呼ぶ、お前は適当に隠れろ。」


『……はい、』




無惨様のお考えになることはやはりわかり兼ねる。

でもなにか楽しいことを思いついたのだろうな、
すごく楽しそうだもん。()







そんな無惨様の様子を私は隠れて見ていた。


ここに童磨を呼んで一体なにをするのだろう？









……あぁ、それにしてもあの風柱、ムカついたなぁ




そう思いながら、私の手に握り締められたものを見つめる。






こんなに、ボロボロに……









こんなんじゃ、童磨に合わせる顔もクソもないな。

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