【鬼滅の刃】彼をどうしても振り向かせたい 弐【童磨】

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『私もあなたと同じだった』



「ッ……違う、私はお前なんかとは違う！！
私は人間だ、お前みたいな化け物と同じにするな…！

お前なんかとは違って、……私の方が、教祖様のことが好きだった……愛していた！！」



『それが私と同じだって言ってんの。
ごめんね』




なんだか自分を見ているようで辛くなった。




『血鬼術

涙雨の仁恵』



細かい水が集まり、彼女を包み込む。

この術は特殊で、包まれた人間が水の中でも息が出来ているように錯覚出来てしまうというもの。

でも実際は呼吸が出来ていない。


だから自然に、眠るように息絶える。


この女も。





「相変わらず綺麗な術ばかり使うねぇ、Aは」



いつの間にか私の隣に居た童磨はニッコリ笑って女を見つめる。

そんな童磨を見て申し訳なくなった。



『ごめんね、童磨
結局この女の人を殺してしまう事になって』


せっかく気に入ってたのに。




「いいんだよ
いつかは喰べるつもりだったし」




そう言って私の頭を撫でる童磨は本当に優しい。
前までは無視されてたのに、丸くなったなぁ。




「それにしても、Aは本当に人間が好きだね」


『え、そうかな？』


「うんうん、ずっと前から思ってたんだけどさ、人間を見る時の目とかすごく優しいし
……殺す時は容赦無いけど。」





まぁ確かに人間は好きだ。
美味しいし、見てると楽しいし。

でも私たちの邪魔をする人間は嫌いだよ
あと童磨を傷付けるやつも悪く言うやつも嫌いだな

そういうのはすぐに殺してあげるんだ





「さっきの術だってそんなAだからこそ使える術であって、俺はそんな優しい術持ってないよ」


『うん……まぁ、この女に同情したからね
この報われない恋心とか、特に可哀想だったし』


「……ふーん、そっか」





童磨は一瞬眉を顰めるとまたすぐに笑顔を浮かべ、
女に近づいていく。





「可哀想だし、喰べてあげようか」


そう言って女の腕を一口かじる童磨。


童磨が美味しそうにしてるのは私も見てて嬉しくなるけど、女ばかり喰べるのが何だか許せないんだよなぁ。


童磨が人を喰っているのが許せないんじゃなくて、
女を喰べるのが。

女という存在が。
例えそれが、童磨にとっては食べ物だったとしても。





表情が顔に出てしまっていたのか、童磨が振り返り「どうしたの？」と尋ねてくる。


口周りにべっとり血が着いていて、何だか可愛い。

人間からしたら、怖い、なんて思うんだろうけどね

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