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有馬さんの首から吹き出る鮮血と




倒れるその体と





カネキくんの表情が、








やけにゆっくりにみえて









カネキ「なにやってん…ですかッッッ!!!」






カネキくんが有馬さんに駆け寄ると同じくらいに、私も有馬さんの元まで駆けつけていて






有馬さんは虚ろにこう言った







「ずっと待っていた」


と。







カネキ「有馬さ…」



有馬「聞け……カネキケン
…俺にはとうに時間は残されていなかった

時期が…早まっただけだ」







淡々と話していく有馬さん。

カネキくんも私も、有馬さんの言葉を一言も聞き逃さず、その話に耳を傾けた。






有馬さんは半人間であること、右目が見えなかったこと、CCGのトップが喰種であること。






初めて聞くことばかりで、私は何も知らなかったんだなと自分の無力さを実感できた。









有馬「お前が俺を殺したことにしてくれ
カネキケン

俺が…なにを望んだか…それはすぐにわかるはずだ…」





“また”、私の手が震える。








有馬「………頼む…
お前にしか出来ない事なんだ……」





カネキ「……わかりました
僕があなたを殺した。」






カネキくんは目を閉じると、小さく呟いた。







有馬「……ありがとう


…A、」





不意に名前を呼ばれた。








貴「気づいてたんだね……」




有馬「…君の事は誰よりも見てるつもりだった」







マスクを取り、有馬さんと見つめ合う。








有馬「……約束、果たせなかったね。
飯行こう、って」




貴「行けるよ、何回でも
また行こうよ、有馬さん、ねぇ」




有馬「3人で、また、…
ねぇ……」






有馬さんが私の頬へ手を差し伸べる。


その手はとても冷たく。








有馬「ずっと、好きだった…
出会った時から………」






ずるり、と有馬さんの手が落ちていく。







貴「…ありまさ、」




有馬「………最期に、君に会えてよかった、…」




貴「最期とか……ッ」








私の涙が有馬さんの頬に落ち、有馬さんがそっと微笑んだ。






有馬「俺は……ずっと嫌だった


奪うばかりの人生が………」









ずっと、有馬さんは。








有馬「…やっと
………なにかのこせた気がする…」






有馬さんの頬に、涙が伝った。






貴「あり、まさ…ッ!」



カネキ「有馬さんッ…!!」









どうして、こうなっちゃうの??

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月飴 - 更新ほんとに楽しみにしています!大好きです!! (2023年3月18日 0時) (レス) id: 04f71f78b5 (このIDを非表示/違反報告)
お粥(プロフ) - おもちさんの作品いつも楽しく読ませていただいています。この作品は更新されませんか? (2023年1月12日 14時) (レス) id: 9c4b66d165 (このIDを非表示/違反報告)
lemonade066(プロフ) - もう続きってでませんよね… (2023年1月4日 13時) (レス) id: 66d7fc9173 (このIDを非表示/違反報告)
アレクサンドロス(プロフ) - はじめまして!!!凄く面白くてここまで一気に読んでしまいました!!!更新は気長に正座しながら待ってます!!!!応援しています!! (2022年10月3日 12時) (レス) @page10 id: c07eb82e74 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶らて - はじめまして!このお話大好きです!更新は気長に待ってます! (2022年9月6日 23時) (レス) @page10 id: ebd3b689fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2019年10月13日 1時

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