【鬼滅の刃】存在がうるさい。

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｢邪魔だァ！退け！｣

『はぁ、めんどくせー……』

｢退かないなら鱗滝の弟子より先にお前を喰ってやろうか｣

『喰われる気はないっつの！』





何十本も生えている手から繰り出される猛攻を全て捌き切る。正直このぐらいなら永遠にできるレベルだ。

もうこれ倒しちゃっていい？と思ったりもするが、私が頸を狙う隙に炭治郎を殺されては意味がない。

要は炭治郎早く目覚めてくれ！

猛攻を防ぎ続けて数十秒、後ろで動く気配がした。

視線を前に向けたまま尋ねる。





『あ、炭治郎起きた？』

｢A！？すまない、もう大丈夫だ！ありがとう！｣

『えっ、あ、はい』





言われ慣れない感謝の言葉にちょっとキョドってしまった。普通に恥ずかしい。

というか今まで言われたことなんて、思い出せる限り記憶にな……くもなかったかな！善逸に1度言われたな！！

……信じたくないけど、認めたくないけど、裏表ない優しさ持ってるよな炭治郎って。

短い付き合いだけどなんとなく分かる。そんな人間って世の中に存在するんだなあ。





『(眩しすぎて背を向けたくなるよ、ほんと)』





こんな眩しい人がいる世界でまともに立てる、歩ける自信がない。

目を覚ましたばかりの炭治郎が鬼に向かって駆ける後ろ姿をぼーっと眺める。

と、土から異様な感じがした。何か、来る……！

予感は的中していたようで、反射的に飛び上がった直後地面から手が伸びてきた。

空中で刀を扱うのは難しいが、体を捻りながらなんとか躱して斬る。

ちらりと炭治郎を一瞥すると、躱しきれなかった鬼の手に頭突きをかましていて思わず口が開いた。ええ……それ骨折れない？？

そのまま鬼の頸に近づいた炭治郎は｢ああああ！！｣と声をあげながら、



___全集中・水の呼吸 壱ノ型 水面斬り



鬼の頸を斬った。





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