【鬼滅の刃】視界がうるさい。

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避けてばかりだと私が負けると思ったけどそうでもないっぽい。目の前で息切れをする氷室さんはもうバテている。

こちとら死ぬほど鍛錬してきたからね。

暗殺は嫌だが、なんだかこの瞬間だけは鍛錬してきてよかったと思えた。矛盾してんなあ。





『汗だくだけど大丈夫？』

｢ほんっっとにイラつくガキね……！｣





あえて煽ってみるクソガキですどうも。相手がこれで集中力削いでくれたらよき。

なんて軽いノリで言ってみたのだがどうやら逆効果だったらしい。

氷室さんは顔をうつ向け、肩をわなわな震えさせながら笑った。





｢ふ、ふふふっそう言ってられるのも今のうちよ｣






辺りが何故か急に冷える。なんか……やばい！何かが、来る！

ただの直感でしかないがそう感じた私は、今までよりも集中し再び守りの態勢に入った。




___血気術 犀利(さいり)の氷柱(つらら)





『な、』





氷室さんが手を上にした途端、私を取り囲むようにいきなり氷柱が現れる。

氷室さんは手を振りかざすと、私目掛けて飛んできた。ちょ、まじかよ！！

予想外の攻撃に全て防げない。瞬時に致命傷となりそうな攻撃のみを判断し、それを捌ききることに専念する。

頬や腕、足を掠めた。そこから血がどくどくと流れる。





『い、ってぇー。……こんなに痛いの久しぶりだわ』

｢美味しそうな血ね。余裕ぶってられるのも今のうちよ！｣





油断していた。

大分腕が鈍ってるし、体力も落ちた。

せっかくあの世界から抜け出したのに、……ちょっとはそこら辺に住んでる女の子みたいな普通の生活を夢見てたのに、





『今さら、なれるわけないか』





自分何考えてたんだろう、何にちょっと希望を持ったりしちゃったんだろう。

馬鹿だなあ、と少し自嘲気味に笑った。

あっち側で生まれ、育ってきたのだから。もう“普通”にはなれないに決まってんじゃん。





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