【鬼滅の刃】視界がうるさい。

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宇髄天元side





朝、遊馬Aが屋敷を出ていき少し時間が経った頃。昨日同様鎹烏が｢任務ダ！任務ダ！｣と鳴き始めた。

鎹烏が口にした場所は、ここら辺ではちょっと有名な団子屋。

刀を背負ってそこに行けば、なんとあのガキが働いていた。

この時点で巻き込む予感は少なからずあったのだが……。





｢(まさかあいつが稀血とはな)｣





俺は深い溜息をつく。

稀血は、普通の人の50人分ぐらいの栄養がある。鬼も何がなんでも死ぬ気で喰いにくるはずだ。

ガキんちょに言っても現状は変わらないと思ったんだろうか、今回ターゲットの鬼から直接稀血であることを告げられたらしい。本人は分かってなさそうだったけどな。

まあ日輪刀を知らないガキが稀血を知らなくてもおかしくはない。

それにしてもあいつが持ってんの普通の刀だし、危険だ。……ただのガキじゃないとはいえ。




もう辺りはすっかり暗くなっている。鬼が行動し始めるのはそろそろだろう。1人にしておくのは危ない。

なのにあのガキ……！途中から俺を無視し始めやがって！

店長にももうすぐで仕事は終わると言われてからしばらく経った。もうガキが来てもいい頃合いだが……。

まじでおっせぇなあ、と欠伸をしようとした瞬間。





｢(この音……外からか！)｣





キーン！という戦ってるって感じのド派手な音が微かに聞こえてきた。

それも1度や2度ではない。

考えるより先に体が動いた。すぐさま2本の刀を持ち、店内を駆け抜ける。

外に出るとひんやりした空気が一気に俺を包んだ。

音が聞こえる裏道に近付くにつれて何故か冷え込む。

そして角を曲がった瞬間、手足から血を流し刀を構えるガキと正真正銘の鬼の姿を捉えた。





｢クソガキ！早く逃げろ！｣

『うっわ派手野郎じゃねぇか。どいつもこいつもめんどくせー』





チラリとこちら一瞥したガキは舌打ちを零す。……ん？舌打ち？

直後、やらかしたとでも言うような『アッ』と言う声がガキから漏れた。

……なんかガキから幻聴聞こえた気がすんだけど気の所為？？？





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